中国経済の減速懸念に端を発する世界同時株安が発生する一方で、バブル期以来の株価上昇幅が記録されるなど、ここ最近は激しい値動きを見せている株式市場だが、どのように対処すべきかわからない人も多いだろう。

去る10月17日、都内で開催された「日経マネー30周年記念特別シンポジウム」にて、さわかみ投信の会長、澤上篤人氏がスピーチを行った。

sawakami (撮影=ZUU online編集部 )

さわかみ投信は、長期投資を理念とした運用スタイルで知られる国内株式型の代表的なアクティブファンドだ。1999年の設立以来、年率複利で約5%あげている。その間、日本経済は低迷してきたにも関わらず、良好な成績を築いてきた澤上氏が語る「長期投資のキモ」とは――。


投資の王道は長期投資

「投資は安く買えばいいんです。多くの機関投資家は(成績を出さなくてはいけないため)短期での運用に縛られていて、それで損している。コンピューターの発展も後押しになり、いまや世界中に短期運用がはびこっている。だが、それは投資ではない。それに機関投資家は、競合との成績の伸ばし合いになっているから、相場上昇時にはむしろ降りようと思っても降りられない。だから、いざ相場が停滞してしまうといっせいに大騒ぎするんです」

「投資の王道は長期投資です。それも基本は株式投資。なぜか?すべての投資商品はその時の金利によって左右される。株式の場合にも配当利回りがあります。ですが、もっと重要なのは、株式の場合、企業が利益成長を続ける限り「投資価値」を高めてくれるんです。これはペンシルバニア大ウォートン校の権威、シーゲル教授によって実証されているんです」


社会を築く企業を買うのが長期投資のキモ

「株式投資をするとき、普通はどうやって儲けようと考えるでしょう。だが、さわかみファンドは『企業の存在理由』を考えます。一般的に会社が業績を伸ばすには『売り上げを伸ばす』か『コストを下げる』しかない。例えば青と赤の2社があるとしましょう」

「青は目立つ存在だが、何かあれば設備投資のカットやリストラをする会社。一方、赤は地味で利益があまりでないな存在だが、社会貢献や環境意識がものすごい高い。ここで考えて欲しいのは、投資はさておき消費者として買うならどっちを支えたいのか、ということです。赤のような会社を応援することが長期投資です。赤が青に乗っ取られるような、そういう社会でいいのでしょうか?潤いのある穏やかな社会、それを支える会社を守らないといけない。ここが長期投資のキモになる」

「そういう企業の経営を守るということは、生活防衛になるんです。殺伐とした社会には住みたくないでしょう。でも、そういった企業を守るということは機関投資家には無理なんです。成績を追いかけないといけないから。でも、それが嫌なら我々が動けばいい」

「リスクを追うのが投資、と言われることもありますがこれは違います。毎日の生活に絶対必要な会社はつぶれっこないんです。だから、我々は下がれば下がるほど買うんです。人気がでた時は他の人に任せて薄く売る。その繰り返しを徹底してやるのが長期投資なんです。応援したい会社はいっぱいあるので、今お金入れてくれたら全額買い注文を入れますよ」