「独身者は少額でも投資をしてみるべき」「既婚者は生命保険に加入するべき」。NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)の「マネープラン 20代〜30代がすべきこと 調査レポート」によると、ファイナンシャル・プランナー(FP)は若者にこのようなマネープランを薦める傾向にあることが分かった。また、若者のFP相談は増加傾向にあり、ファイナンシャル・プランニングに対する関心が高まっていることもうかがえた。ライフステージに合った資産計画を立てるために、以下の結果を参考にしてみてはいかがだろう。

独身、既婚に関係なくトップとなったのは?

調査は2015年8月4日〜13日、日本FP協会が認定するFP資格取得者を対象にインターネットで行われた。有効回答数 は878。

調査では、2014年4月~2015年3月までの1年間 に20代~30代からFP相談を受けた339人に、「20代〜30代のマネープランで実行すべきこと」を独身者、既婚者それぞれについて質問した。

独身者、既婚者ともに1位となった回答は「ライフプランを考え、キャッシュフロー表を作成してみる」(独身は47.2%、既婚は59.8%のFPが回答)だった。人生をトータルでみて資産設計をする重要性がうかがえる。

独身者、既婚者で大きな差がついたのは2位以下である。独身者への回答では「少額でも投資をしてみる(投資の勉強をする)」が46%を占め、トップと僅差の2位となった。回答の割合は既婚者の約2倍である。ファイナンシャル・プランニングのプロは、若いうちから金融や投資の知識を身につけ、少額でも余裕資金があれば投資をしてみた方がよいと考えているようだ。

一方、既婚者で2位となったのは「適切な生命保険に加入する」で、その割合は38.5%と独身者の約2.5倍に上った。さらに「家計簿をつけるなど家計管理をはじめる」が3位に続き、「攻めの姿勢」が重視された独身者に比べると比較的「守りの姿勢」を持つことが大切であるようだ。

そのほかの回答については次の通り。

「20〜30代の独身・既婚の方のマネープランにおいて実行すべきこと」トップ5(3つまで複数回答可)

【独身者】
1位 ライフプランを考え、キャッシュフロー表を作成してみる<47.2%>
2位 少額でも投資をしてみる(投資の勉強をする)<46.0%>
3位 先に毎月の貯蓄額を決め、残りで生活する<41.8%>
4位 家計簿をつけるなど家計管理をはじめる<29.9%>
5位 積立貯蓄をする<28.7%>

【既婚】
1位 ライフプランを考え、キャッシュフロー表を作成してみる<59.8%>
2位 適切な生命保険に加入する<38.5%>
3位 家計簿をつけるなど家計管理をはじめる<37.6%>
4位 先に毎月の貯蓄額を決め、残りで生活する<29.6%>
5位 定期的にライフプランを見直す<29.0%>