伊藤忠商事

伊藤忠商事は大手商社5社の一角を占めます。傘下に米ドール、ファミリーマート、オリエントコーポレーション(オリコ)、東京センチュリーリース、プリマハム等を抱えています。配当利回りは3.97%、PBRが0.94倍、PERが5.92倍と投資妙味のある銘柄と言えるでしょう。伊藤忠商事を始め、大手商社株は投資指標から割安感を感じられます。これにはいろいろ原因があるとは思いますが、個人的には「資源株」というイメージがなかなか抜けきれていないということがあるのではないかと考えています。ちなみに伊藤忠商事は配当性向を引き上げる(2013年度23%→2014年度25%)意向を示しており、今後の更なる増配も期待できそうです。

武田薬品工業

武田薬品工業は国内首位の製薬会社です。2011年5月にスイスのナイコメッドを約1兆1400億円で買収しています。最近ではクリストフ・ウェバー氏が社長に就任し、話題を集めました。配当利回りは3.96%、PBRが1.57倍、PERが32.63倍となっており、株価に割安感が感じられませんが、配当利回りの高さとその継続性が株価を支えているものと考えられます。但し、現在、アメリカで糖尿病治療薬「アクトス」を巡って訴訟が行われています。その賠償額が60億ドル(約6,000億円/1ドル100円換算)にもなります。この訴訟の行方次第では業績にも大きく影響し、今までと同様の配当を続けることができるかどうか不安な面も残ります。

NTTドコモ

NTTドコモは携帯電話キャリアの国内最大手です。純増数ではソフトバンクやKDDIに押されていますが、それでも国内シェアは45%を超えています。また、ここ数年、有機野菜の宅配サービスを行っている「らでぃっしゅぼーや」、レコード販売の「タワーレコード」、料理教室を運営している「ABCホールディングス」と立て続けに買収をしています。ドコモが目指している「ライフスタイルをトータルサポート」に着々と実績を作っていると言えるでしょう。配当利回りは3.8%、PBRが1.18倍、PERが13.48倍となっています。ソフトバンクやKDDIと比べると投資指標に割安感が感じられます。

エーザイ

エーザイは国内5位の製薬会社です。アメリカのMGIファーマを買収し、がん関連分野に力を入れています。配当利回りは3.81%、PBRが2.29倍、PERが32.46倍と前述した武田薬品工業と比べても割高感があります。2013年11月に希望退職者を募っており、また、埼玉の工場を閉鎖し、国内主要工場は1つのみとなりました。今後、この一連の改革がどのように業績に影響してくるか注目です。なお、過去の業績は2011年から利益が減少傾向にあります。この傾向がいつ反転するかというところが一つのポイントとなりそうです。

配当利回り以外も注意しておこう

今回は配当利回りが高く、時価総額の高い7銘柄をピックアップしました。流動性を意識して時価総額の高い銘柄としましたが、気を付けなければならないことは、配当については当然のことながら保証されているものではないということです。業績が伴っての配当であり、武田薬品工業やエーザイのようにしばしば1株あたり利益を超える配当を行っているようなケースでは、減配の可能性も低くはありません。1年後2年後はどうなりそうなのかということを自分なりに予測して投資を行うと良いでしょう。

BY ista:のんびり投資家

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