特例の適用を手堅く受けるためには

この特例には、細かい条件があります。

・被相続人と同居してきた配偶者が相続する場合
・被相続人と同居してきた親族が相続する場合(ただし、相続税の申告期限までその土地の所有・居住を続けていることが条件)
・被相続人と同居してきた親族がいない場合で、3年以内に自身(or配偶者)が所有する家屋に住んでいなかった親族が相続する場合(ただし、相続税の申告期限までその土地の所有を続けていることが条件)

つまり妻や子が、ずっと被相続人と同居してきたならスムーズに特例を受けることができます。同居していなかった家族が相続するケースでは、借家や賃貸住宅に住んでいたら特例を受けることができることになります。


二世帯住宅に住んでいた場合は?

ずっと被相続人と同じ家に住んでいた人なら、相続の際に「小規模宅地等の特例」を受けられる可能性が高いとはいえ、つい最近まで「二世帯住宅」については同居とみなされないリスクがつきものでした。

現在の二世帯住宅は、屋内で各世帯の居住空間が繋がっていないケースがよく見られます。こうした構造の住宅に住んでいた場合は、平成25年までは同居と認めてもらうことはできませんでした。

しかし昨年、平成26年から状況が激変しました。建物内部での行き来ができない二世帯住宅に住んでいた場合でも、「被相続人と親族が同居していた」と認めてもらえるようになったのです。


「小規模宅地等の特例」を利用できるケースが増えている

この数年で、連続して「小規模宅地等の特例」の規定が変わっています。相続税の申告を義務付けられる人が増やされた分、減税のチャンスも増えているのです。いずれにせよ、最新の法令に基づいて手続きをすることが求められます。準備が遅れると、損をする可能性があることは否めません。

奥田 周年 (おくだ ちかとし) 税理士。
OAG税理士法人 資産税部 部長執筆書籍は、遺産相続と相続税がよくわかる本(日本文芸社:監修)、ずるいぞ!その相続(かんき出版:編著)、Q&A相続実務全書(ぎょうせい刊: 共著)等多数。相続税・贈与税の専門税理士でチーム相続を組織し、 メディア を主宰。

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