国債——マイナス金利でも欲しがる銀行がある程度には安全(だった)
次によく耳にする安全資産といえば、「国債」だろう。たしかに国債、特に日本国債であれば、ほぼ金額は変動しないし、償還時には額面が帰ってくる。利率も低いものの金利収入もあり、そして定期預金と違い換金が容易である。
日本では財政悪化、財政破綻の問題が長らく指摘されている。今後更なる財政悪化が続いた場合には価格下落が起こる可能性もあり、今後の議論および財政問題について注視が必要となる。
また今後、バーゼル㈽(主要国の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が、国際的に業務をしている銀行の健全性を維持するために公表した新たな自己資本規制。2010年9月公表)の進化などの銀行規制の議論が進むにつれ、国債のリスク、特に今まではリスクが存在しないとしていた日本も含むOECD諸国の国債についても、今後はリスクがあると認識されると言われている。その場合、国際は「安全資産」のカテゴリーから外れ、金利の変動幅が拡大すると想定される。
とは言うものの、少なくとも現在において日本国債は、国債がマイナス金利(余分に払ってでも国債を銀行等が欲しがった)になる場面もあった程度には安全資産と見なされている。今後、どこまでその安全性が保たれるかの保証はないが、少なくとも当分の間については安全資産として見られる状況が進みそうだ。
地方債・社債——国債よりは発行体が身近な債券
「地方債」は国債と比べて、もっと身近でイメージがつきやすいので買いやすく(何をしようとしているのかも国政に比べて理解がしやすい)運用がしやすい資産である。「社債」は起業に対してお金を貸す事になるので、世界展開をしている企業などであれば安心度は高い。
ところで社債は時に面白い状況に陥る。それは日本国内で事業展開する日本の企業でありながら、日本国債よりも低金利と言う状況だ。投資家から見ると「日本が財政破綻しても、この会社は大丈夫」と認識されているとも言える。その様な企業の社債に投資をしておくのも一つの手だろう。
ただその様な債券の多くは、かつて株式が安全資産と言われていた鉄道のような会社の債券だ。果たしていつまで地方債や社債が安全資産といわれ続けるか、楽観視はできない。
安全資産と言われている資産について4種挙げたが、すべて「今現在は安全」といわれているもの。将来どうなるかは誰にも分からない。しかし少なくとも、リスクを理解した上でポートフォリオに組み込むことを検討してもいい商品であることは間違いない。 (ZUU online 編集部)