ATM
(写真=PIXTA)

強固な規制に守られるとともに縛られていた銀行業界。ながらく顧客サービスの向上に極めて不熱心だった、といわれても仕方ない。どの銀行でも窓口営業は平日午後3時までで、ATMも深夜・休日は利用できない(または有料)ことが当然だった。

2000年代に入り不良債権処理と規制緩和を契機に業界再編が進み異業種や海外から参入した人材が経営に携わるようになり、ようやく顧客の立場に立ったサービス改革が促進されるようになった。

そうした動きの中で、これまで最も改善が遅れていた決済サービス(為替業務)の24時間提供が本格化しつつある。


再生・新興銀行が顧客サービスを主導

不良債権処理の失敗により経営破たんした銀行が母体の再生銀行、金融行政の方針転換に伴い異業種参入が歓迎される状況下で誕生した新興の銀行は、夜間・休日営業、ATMの24時間利用、コンビニATM、ネット・バンキング、即日融資のフリーローンなど顧客目線で新たなサービスを積極的に展開してきた。

たとえばりそな銀行は、ATMやネット・バンキングなど非対面営業チャネルの差別化余地が狭まる中で、全店が平日午後5時まで営業、年末年始、ゴールデン・ウィークを除き毎日午後7時まで営業するセブンデイズプラザを5カ所設置。対面営業チャネルの利便性の面で他行を大きく引き離している。

またソニー銀行などのネット系銀行は、多数の有人店舗を有する伝統的な銀行と比べ低コストで運営できる強みを活かし、相対的に高めの預金金利を設定している。


再生・新興銀行は決済サービスの24時間化でも先行

銀行の資金決済サービスは、店内為替、行内為替、他行為替の3種類に大別される。

店内為替は同一営業店に開設された預金口座間の資金振替であり、最も事務負担が少ない。行内為替は同一銀行の異なる営業店に開設された口座間の振替となるため、システムがオンライン化されていない時代は振込依頼書の搬送や確認に手間がかかった。他行為替は異なる銀行の口座間の振替を行うため、顧客口座間の振替に加え銀行間の資金決済が必要となり最も煩雑である。

ITが発達した現代では、自行内で完結する店内・行内為替はシステム開発・運用負担を考慮しなければ容易に実行できる。預金総額は一定で資金繰りに影響しないからだ。こうした中で、住信SBIネット銀行やソニー銀行は、店内・行内為替の締切時間を当日午後11時59分としている。

さらに、りそなグループでは、2015年4月からりそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行の3行間で、土日祝日を含む24時間いつでも振込可能なサービスを開始した。


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