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(写真=PIXTA)

会社に入社したばかりのとき、給料の手取り額の少なさに驚いたサラリーマンは少なくないだろう。給与から天引きされる健康保険料などの社会保険料が案外高いのである。一方、保険料の仕組みをよく知らず、受け取れるはずの社会保障をうまく利用していない人も少なくない。今一度、社会保険の種類やその内容を見直してみよう。


天引き額は5万円近くに

一般的な東京都のサラリーマンを例にとってみよう。

社会保険の柱のひとつに健康保険料(全国健康保険協会管掌健康保険料)がある。健康保険料は都道府県によって異なるが、「2015年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」によると、東京都では標準報酬月額が30万円の場合、39歳以下なら健康保険料は2万9910円(保険料率9.975%)、40~64歳の人は介護保険料を含めて3万4650円(同11.55%)となっている。

社会保険のもうひとつの柱が厚生年金保険だ。日本の年金制度は、国民年金、厚生年金、共済年金の3つがあり、サラリーマンが対象となるのは厚生年金である。厚生年金の仕組みは2階建てになっていて、1階部分は老齢基礎年金、2階部分は老齢厚生年金になる。年金は全国共通の保険料率で、標準報酬月額が30万円だった場合、一般のサラリーマンは5万3484円(17.828%)となっている。

健康保険料や厚生年金保険料はいずれも、会社と折半という形態になるので、上記金額の半分をサラリーマンが負担すればいい。

雇用保険も毎月天引きされている。業種によって多少違いはあるが、一般のサラリーマンの場合、雇用保険料率は5/1000、会社負担は8.5/1000(2015年4月1日~2016年3月 31 日)と設定されている。たとえば給料が30万円のサラリーマンの場合、自己負担は30万円×5/1000=1500円となる。この金額に会社負担(30万円×8.5/1000=2550円)を足し、合計4050円を雇用保険料として納めることになる。

つまり、東京都の一般的なサラリーマンが負担する社会保険料は、標準報酬月額30万円の場合、健康保険料1万4955円(40~64歳は1万7325円)、厚生年金2万6742円、そして雇用保険料1500円の、総額4万5867円となる。