これら3つの社会保険料に加えて所得税や住民税などの税金が給料から差し引かれるので、サラリーが少ないと嘆く人がいるのも仕方がない。しかし、社会保険料は目に見えないかたちでサラリーマンに還元されているのである。
病気で仕事を休むと生活費を補てん
わかりやすい例で言えば、健康保険料をかけていることでサラリーマンのAさんの家族がもし病気で通院しても、医療費の負担は3割で済む。残り7割はAさんが加入している健康保険から支払ってくれる。
健康保険料が役に立つのはこればかりではない。Aさんが通勤中や勤務中に怪我や事故、あるいは死亡といった事態に遭遇すると、一定の要件を満たしていれば「労災保険」が支払われる。病気や事故などで会社を休んだ場合は「傷病手当金」といって一定期間、生活費を補てんしてくれる制度がある。
被保険者やその配偶者の出産については、全国健康保険協会に申請することで、出産育児一時金や家族出産育児一時金(2015年11月現在、42万円)が支給される。被保険者が出産する場合には、会社から報酬が出ないときは出産前後の収入補てんがなされる出産手当金なども支給される。これらもまた、健康保険料から賄われているのである。
"死亡保険"にもなる厚生年金
厚生年金からは老後の年金制度だけでなく、遺族基礎年金にもつながっている。被保険者が亡くなったとき、現在(2015年11月時点)の遺族基礎年金は、妻に78万6500円(年額)、子ども(18歳になった年度末日まで)1人あたり22万7900円、3人目以降は7万5900円が加算されて支給される。大黒柱がサラリーマンだった場合はさらに遺族厚生年金がプラスして支給される。
雇用保険は何らかの理由で失業した場合に給付される保険である。次の転職先が見つかるまでの間、生活費の補てんをしてもらえる。雇用保険は、退職した時点から6か月をさかのぼった標準報酬月額の合計額を180日で割った賃金日額の、50~80%が支給される。
少ないサラリーから多額の生命保険などにかける前に、まずは、上記のような天引きされている社会保険のメリットを考えたうえで、サラリーに応じたマネープランを立てたいものである。 (ZUU online 編集部)
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