(写真=PIXTA)

請求書と領収書。ビジネスにおいても消費者としても、どちらも触れる機会が多い書類だろう。物品売買でもサービス提供でも、「売る側」と「買う側」が存在する。請求書も領収書も「売る側」が発行するもの。これらの書類の持つ意味を考え、疑問や誤解を解いておこう。

請求書と領収書の持つ意味

「請求書」とは、商品やサービスの内容を明示し、その対価となる金額を請求するものだ。通常は商品やサービスの提供と同時又は提供後に発行され、買う側に渡される。買う側は請求書に記載された内容に誤りがないかを確認して代金を払うことになる。

一方の「領収書」は現金などを受け取ったことを示す書類である。銀行振込でなく現金受け渡しの場合には何か書面がないと、本当に受け渡しがあったかどうかの証拠が残らない。いつ、誰から、何の対価として、いくら、誰が受け取ったのかを証明するために、領収書は発行される。領収「証」とも言うが、意味は同じだ。

押印ない請求書のメール送付でも「有効」

請求書が持つ意味として、買う側に対して正しく請求できているかや、不正請求のリスクがないかが重要となる。請求書について次の3つを取り上げる。

「請求書は電子メールで送っても良いか?」「請求書に押印は必要か?」「請求書は何度でも再発行できるか?」

まず「請求書は電子メールで送っても良いか?」という点について。答えは「送っても良い」だ。

請求書の記載が正しいものであれば、郵送か手渡しか電子メールかは問題とならない。請求書が改ざんできないように、PDFファイルなどで編集できない形式で送ることが必要だ。

「押印が必要か」という疑問への回答としては、「押印がない請求書も有効」だ。請求書に社印を常に押していれば、社員が勝手に請求書を発行し、自分の口座等への入金させるといった不正請求の発生可能性を低くすることはできる。

そして「請求書は何度でも再発行できるか」という点については、同一の請求書は何度でも発行できる。しかし請求書は売る側の債権管理や売上の経理処理、買う側の経理処理に用いるため注意が必要だ。紛失により2回発行した場合、再発行であることが分からずに重複請求や二重に経理処理をしてしまうリスクがある。再発行の際は、「再発行」と明示しておくことが大切だ。