不利な計算を強いられる可能性がある宛名「上様」
領収書については次の3つを取り上げる。特に2番目と3番目は特に買う側にとって、所得税の必要経費となるかや法人税の損金となるか、消費税の仕入税額控除ができるかが重要となる。
「領収書は必ず発行されるのか?」「レシートより領収書の方が有効か?」「領収書の宛名は「上様」で良いのか?」
領収書の発行は必須ではない。レシートは領収書ではないが、消費者として、コンビニやスーパーで領収書ではなくレシートを受け取っているはずだ。領収書は求めたときのみ発行されることが多い。
ビジネスにおいては、主に現金取引の際に領収書が発行され、現金の受け渡しの証拠となる。銀行振込は送金記録が残るため、領収書は発行されないこともある。もちろん銀行振込時でも発行して良いが、現金か銀行振込かといった受け渡し手段を請求書へ記載する。銀行振込したものを現金で再度処理してしまうといった二重処理のリスクを残さないためである。
レシートと領収書の違いであるが、レシートには受取者の記載がないため、受取者の記載がある領収書の方が有効性が高いと言われている。必要経費や損金にするためには問題にならないが、消費税で有利な計算(仕入税額控除)をするためには証拠書類に受取者の記載が必要と消費税法に記載されているからである(小売業・飲食業等は例外)。
レシートではNGというわけではないが、法律上は税務署に指摘される可能性がある。ただし、領収書には取引概要はあっても詳細は記載がない。レシートの方が取引内容の詳細が記してあるため、「宛名のあるレシート」は領収書より有効という意見もある。
領収書の宛名は、買う側にとって要注意事項だ。宛名が「上様」となっている領収書が税務調査で即NGとはならないであろうが、複数の会社間の経費つけかえ等を疑われる可能性はある。また、消費税については先述の通り、請求書に受取者の記載が必要なので、「上様」では場合によっては不利な計算を強いられるかもしれない。
請求書は売る側が、領収書は買う側が注意
請求書と領収書は売る側が発行するが、請求書については売る側にとって、領収書は主に買う側にとって注意が要るものだ。
請求書については二重請求や二重計上、不正を防ぐ工夫が必要だ。領収書はレシートとの違いや宛名の持つ意味を理解し、法人税や消費税の計算上で不利な扱いにならないように注意しよう。 (ZUU online 編集部)
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