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(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」を発表され、日本は世界主要国25カ国中23位だった。首位は4年連続でデンマーク、最下位は昨年に引き続きインドとなった。ランキングは世界各国の年金制度を比較したもの。ランキングの概要を見ていこう。


ランキングトップ25 ヨーロッパ勢が上位を独占

1位 デンマーク
2位 オランダ
3位 オーストラリア
4位 スウェーデン
5位 スイス
6位 フィンランド
7位 カナダ
8位 チリ
9位 イギリス
10位 シンガポール

11位 アイルランド
12位 ドイツ
13位  フランス
14位  アメリカ
15位  ポーランド
16位  南アフリカ
17位  ブラジル
18位  オーストリア
19位  メキシコ
20位  イタリア

21位 インドネシア
22位 中国
23位 日本
24位 韓国
25位 インド


「メルボルン・マーサーグローバル年金指数」とは?

世界各国の年金制度を横断的に比較し、多角的、包括的に調査した指数のこと。調査指数はマーサー社の協力と、ビクトリア州政府による資金提供により、オーストラリア金融研究センター(ACFS)によって開発されたもの。 各国の公的ならびに私的年金制度の積み立てや、個人貯蓄などの年金以外の資産についても客観的な評価がされている。40以上の質問項目から構成された評価指数は、次のような構成になっている。

老後の所得として定期的に給付を受け取れるシステムがあることと、老後のための充分な貯蓄があるかを測った 「十分性」(40%)、 年金制度に優良なガバレッジ(年金の義務化など)や平均寿命と支給開始年齢の関係が適性か、国家の破綻リスクがないかどうかを見た「持続性」(35%)、 包括的な規制が設けられ、年金制度をうまく運用するための見直し機能や透明性があるかどうかという「健全性」(25%)――だ。


ヨーロッパ諸国が上位ランクインのわけ

デンマークは2012年より4年連続首位の座を保っている。デンマークの総合指数は81.7、オランダは80.5と最高ランクAの評価を得ているのはこの2国のみ。

デンマークには「国民年金」「労働市場付加年金」「早期退職年金」の3種類の年金がある。国民年金は、国民が最低限必要な生活を送るための年金、公平性を保つために毎年配給される年金は調整されている。そのため、高所得者の中には国民年金がもらえない人もいるほどだ。

しかし、これがデンマークでは成り立ってしまう。デンマーク人独特の「共生」の精神の上に成り立っている。「みんなが幸せならば、自分に見返りがなくてもいい」と考える。そして国民一人一人が完全に「国の政治家」を信頼している。これは投票率90パーセント以上ということにも顕著に現れている。デンマークも高齢化は問題になっているものの、医療費無料、在宅介護サービスも無料と高齢者福祉も充実していることも好影響を与えていると考えることができる。

ヨーロッパ諸国が上位ランクインのワケは十分に積み立てられた年金制度、多くの加入者数、優れた資産構成と掛金の水準、十分な給付レベルおよび法令の整った個人年金制度の存在があってのもの言えるだろう。


日中韓は下位ランクインの常連国

この調査の2015年の対象国は25カ国、全人口の60%を占めている。日中韓を見ると中国22位、日本23位、韓国24位、下位ランクイン常連国となっている。日本が中国より下とは意外な結果となったが、細かい数値は以下の通りだ。

・中国:総合指数(48.0)、十分性(62.7)、持続性(29.8)、健全性(50.0)
・日本:総合指数(44.1)、十分性(48.8)、持続性(26.5)、健全性(61.2)
・韓国:総合指数(43.8)、十分性(43.9)、持続性(41.6)、顕在性(46.8)

日本の総合評価は「D」、最も低い持続性は「E」、十分性は「D」、健全性は「C+」とされている。日本の総合評価が低い理由は、年金給付による現役世代の年収と年金給付額の比率が低いことによる年金給付の十分性への懸念が挙げられる。また少子高齢化が進んでおり、公的年金の期待支給期間が長いことにより年金制度の持続性への懸念も挙げられている。


どうする?日本の年金制度

このままでは日本の年金制度は破綻に向かう。他国と比べても少子高齢化が進んでいる日本、年金制度に対して早急な対応が必要とされる。老後の生活保障として、公的年金だけに頼るのではなく、各自が改めて企業年金制度の役割についても検討することも重要とされる。

マーサーは具体的な方策として、「家計貯蓄額の見直し・増加」「現役世代の年収と年金給付額の比率の改善」「退職金の一部を収入源とすることを制度として確立」「高齢化に伴う公的年金の支給開始年齢の引き上げ」「政府債務残高GDP比の引き下げ」――を提案している。

次世代への経済的な負担をかけないためにも、今確保すべき資産レベルの見直しが必要だ。高齢化が進んでいるのは日本だけでない。各国が各個人の就労期間を延長することも持続可能な年金システムを作る最適な方法の1つと言える。そして、自国の年金制度のメリットを査定するためにこの指数を活用すべきだろう。(ZUU online 編集部)

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