マウントゴックス

(写真=Getty Images)

仮想通貨ビットコイン取引所マウントゴックスの巨額コインが消失した事件で、東京地検は、顧客の預託金2000万円を着服したとして、業務上横領などの罪で別の業務上横領罪などで起訴されていた運営会社の代表取締役マルク・カルプレス被告を追起訴し、一連の捜査を終結した。

カルプレス被告は同社名義の銀行口座から計約3億2100万円を外部の口座に送金し横領したとして業務上横領などの罪でも9月に起訴されていた。今回、2013年9~12月にも顧客からの預かり金を管理していた同社名義の銀行口座から3回、計2000万円を自分名義の口座に送金し生活費などに充てたとされる。終わってみれば実にくだらない横領事件だったわけだ。

プラットフォームになる可能性は残る

国内では詐欺話の影響で、一気にその可能性が潰れかかったように見えるビットコインだが、国際社会ではその価値は依然として高まっている。

まず今年年初からデフォルト不安で銀行のとりつけ騒ぎもおき大混乱に陥ったギリシャでは、ビットコインへの注目が急激に高まることとなった。特定国の通貨のリスクに依存せずに国際的に絶対価値を維持できるのであれば、これに勝る価値はないわけで、これまでは発展途上国では米ドルがそれを担ってきたが、ビットコインがそれにとって変わる可能性はまだ残されているといえる。

経済的な混乱の耐えないアルゼンチンやデフォルト危機が叫ばれるベネズエラでもすでのビットコイン経済圏が成立してきている。

さらに中国でこの夏に上海株式市場で展開された、自由な金融市場から遠くかけはなれた政権の暴力的市場コントロールと人民元の切り下げは、富裕層の中国国民に人民元保有のリスクがきわめて高いことを焼き付けた。市場では取引が禁止されているはずの中国人民元が、ビットコイン取引の8割を占めるようになり、株価急落以降そのレートは上昇を続けている。

テクノロジーの問題は大きくクローズアップされる傾向にあるが、カスタマーインサイトでみれば安全性が高く、その価値をしっかり維持することができれば、この先米国の利上げなどで新興国市場が深刻な状況に陥ることも想定され、意外なところから市場が定着しはじめることを想定しておく必要がありそうだ。