ブラックロック、PIMCO、JPモルガン・チェースなどの米大手投資会社は、ポルトガル、ギリシャ、イタリアといったリスクの高い国債への投資を来年も継続する姿勢を示している。

エキスパートは欧州中央銀行(ECB)が大規模な国債買い入れを継続することや、連邦準備理事会(FRB)が約10年ぶりの利上げを発表したことなどから、米国債の価格が崩れる可能性が高いと見ており、PIMCOなどは米国債の保有を極限にまで制限し、変動が大きく、ディフォルトへの懸念が再燃していたギリシャ国債に肩入れしている。

またポルトガル国債の10%以上を保有する米ブラックロックは、ポルトガル経済の回復とECBの債権買取りが、価格の値段を押し上げると見ている。

ブラックロック、ティール氏「米、英国債は無意味。欧州債は魅力的」

米プルデンシャル・ファイナンスのインベストメント・ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は、これらの「高リスク国債」がスペイン国債と同様の悲劇を引き起こすのではないか—という、多くの投資家の懸念を指摘する一方で、大きなリターンをもたらしている事実を例に挙げている。

実際、ドイツや米国などの国債に陰りが見えているのに対し、ギリシャ国債は22%のリターン、イタリア、ポルトガルもそれぞれ3%を上回る伸び率となっている。ポルトガルの30年債はドイツの国債のベンチマークを2.4%上回る3.7%まで飛躍するなど、大きなリターンを期待できる可能性をトップ・エキスパートは見出しているのだろう。

ブラックロックのマネージング・ディレクター、スコット・ティール氏は「2016年に米国債英国債を保有しても利益がないが、欧州の周辺市場はいまだ魅力にあふれている」とコメントしている。(ZUU online 編集部)

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