(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

「ネット上の誹謗(ひぼう)や中傷が原因で、急激に売り上げを落としてしまった・・・」。このような不測の事態は、リフォーム業者にとっても悩みの種になりつつある。誰もが巻き込まれる可能性のあるネットトラブルの対策について、専門家に話を聞いた。

「悪い評判見た」 失注の原因に

「お客さん1人あたりの単価が高いリフォーム業界は、風評被害の影響が特に大きい」と語るのは、ネットリスク対策を専門とするエルテス(東京都港区)の安達亮介部長。同社は電通と資本提携しており、設立以来500社以上のネットトラブル解決に貢献してきた。また社内に住宅・不動産業界の専門チームをつくり、業界特有の問題にも対処している。

1193_13hibou

安達氏は、ネットトラブルの影響は、「失注につながる」ケースと、「人材の採用が難しくなる」の2つがあると分析する。

「失注につながるケースとして、ある会社では、契約間近で突然破談になった、ということがありました。担当していた営業マンは施主から、『あなたの会社の悪い評判をネットで見たから』と言われたそうです。このようなケースでは、経営者は悪評の存在を把握しておらず、現場からの報告で事態の深刻さに気付くといった場合も少なくありません」(安達氏)

人材採用に影響するケースとしては、就職口コミサイトなどに投稿された「ブラック企業」、「待遇が悪い」などの情報を、求職者が見ることで発生する。「特に注意が必要なのは、社会人経験のない新卒学生。彼らにとってネットで会社を調べることは当たり前で、ちょっとしたネガティブな情報にも敏感です」(安達氏)

これらのトラブルに巻き込まれる1つの目安として、安達氏は、「年商が10億円を超えたあたりから、良くも悪くも有名になるようでリスクが高まる」と警告する。

1193_13hibou2