マーケットビュー

◆中国株 財新製造業PMIの悪化で調整か 中国貿易統計やCPIなどに注目

先週の本土市場で上海総合指数は反落しました。IPO登録制の3月導入決定に加え、1-11月の鉄道貨物輸送量が前年比12.3%減と1-10月から減少幅を拡大したことが嫌気され、上海総合指数は節目の3,600ポイントを割り込み大幅に下落してスタートしました。

その後、手掛かりになるような大きなテーマが見当たらず揉み合う展開が続きましたが、31日は薄商いのなか元日の休場を前に手じまい売りが出て大きく下落して取引を終えました。結局、先週の上海総合指数は週間で2.4%安となっています。

先週の香港市場でハンセン指数は週間で1.0%安と反落しました。本土市場の下落が重石となり、ハンセン指数は大きく下落して始まりました。その後は市場参加者も少なく手控えムードが強まるなか、原油価格の下落も上値を抑える要因となり、ハンセン指数は2万1900ポイントを挟んで揉み合う展開となりました。

今週の中国市場で上海総合指数は下値を模索する展開が予想されます。2016年1月1日に政府から発表された中国の12月の製造業PMIは市場予想に届かなかったものの、前月からは改善しました。しかし、本日発表の財新中国12月の製造業PMIが改善予想に反して前月から悪化したことで経済減速懸念が再び燻る格好となっています。

また、昨年7月に中国証券当局による大株主や経営陣の保有株の売却禁止が年明けから解禁となっていることも相場の重石となりそうです。

香港市場では、先週31日に米国市場が大きく下げたことに加えて、本土市場の影響もあり、香港ハンセン指数も短期的な調整が避けられそうにありません。

なお、今週は貿易統計や消費物価指数、生産者物価指数などの主要経済指標の発表が予定されています。これらの経済指標の発表を受けて再び高まった景気減速懸念に歯止めがかかるかが注目されます。

林宇川(TonyLin)
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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