昨年のアップダウンが決め手となって、今年の「負け組通貨No.1」のレッテルを貼られてしまったユーロ。しかしHSBCなど一部のエキスパート達は、今年の期待をドルよりもユーロに託している——という意外な事実が明らかになった。

HSBC「ドルからユーロに切り替える時期」

ユーロの大幅値下がり以降、安株の宝庫として海外の投資家に人気の欧州。今年中には1ユーロ1ドルまで価値が下がると見込まれているが、1月4日現在既に1.08ドルまで値下がりしている。

HSBCホールディングスのグローバル・エクイティ・ストラテジスト、ベン・レイドル氏は、欧州が他国と異なる独特のサイクルで利益を生み出している点に焦点を当て、「米ドルを買い漁るのをやめてユーロに移行する時期だ」と主張する。

スタンダードライフ「欧州は企業にとって絶好のスポット」

スコットランドに本社を置くスタンダードライフでグローバル戦略部門の責任者を務めるアンドリュー・ミリガン氏も、「通貨価値の低い欧州は利益を求める企業にとって絶好のスポットである」という点に同意している。

そのうえ欧州中央銀行(ECB)は経済促復興と称して湯水のごとく資金をユーロ圏に投入しており、かつて同じ手段にでた米国で「記録的な超強気市場」が見られたように、現時点では予想していない結果に転じない——とは、確かに誰にも断言できないだろう。

コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワーク「ドルより期待」

「ユーロはドルより上手くやるだろう」と太鼓判を押すのは米コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのチーフ・インベストメント、ブラッド・マクミラン氏だ。

2008年のリーマンショック後の経済危機から「脱出した」と、先月利上げに踏み切った米国が「熟年期」に突入しているとすれば、2009年以降、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドなど次々と債務危機が生じている欧州は「思春期」で、まだまだ成長の余地があると、これらのエキスパート達は解釈しているようだ。(ZUU online 編集部)

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