米国で営業を行っている大手銀行31社の健全性を図る指針として、連邦準備制度理事会(FRB)が毎年実施している「銀行ストレステスト」。1月6日に発表された最新の審査では、ゴールドマン・サックス、JPモルガン&チェースなどを含む4大投資銀行が軒並み不合格の烙印(らくいん)を押されてしまった。

投資計画におけるリスク抽出と対策が弱点

資本力を図る第1次審査(ストレステスト)では31社すべてがクリアしたが、「定性的評価」に重点を置いた株主への配当リスクを図る第2次審査(CCAR=健全性審査)では、ゴールドマン、モルガン・スタンレー、JPモルガンといった大手銀行が「リスクの抽出と対策に関するシステムが整っていない」として不合格となった。

再審査にあたり、モルガン・スタンレーが49億ドル(約5775億6300万円)相当の信託優先証券の再購入を見合わせたほか、ゴールドマンやJPモルガンも投資計画に修正を加えることで、FRBの定める最低自己資本要件を最終的に満たすことができた。

配当リスクはクリアしたバンク・オブ・アメリカは、内部管理とデータ・モデルの改善を要求された。

外資系も不発 来年からはUBS、クレディなども対象に

外資系銀行では、最低自己資本要件は満たしていたが「投資計画プロセスを通して実質的な弱点が見られる」として、ドイツ銀行とサンタンデール銀行が不合格になっている。

これにより来年からはほかの外資系銀行――英バークレイズ、UBS、クレイディ・スイスなどが、CCARの対象として新たに加えられるとが予想される。

一部の銀行からは「審査基準が厳格すぎる」など不満を唱える声もあがっているが、FRBは「大手銀行が管理不可能なほど巨大化するのを防止する手段」として、2009年からストレステストを採用している。(ZUU online 編集部)

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