(この記事は「マイアドバイザー」に掲載されたものです。提供:My-Adviser.jp 写真=PIXTA) (この記事は「マイアドバイザー」に掲載されたものです。提供: My-Adviser.jp
写真=PIXTA)

転勤族の妻は夫の転勤により仕事を辞めることがあります。一度退職してから年末まで会社に勤めない場合、自分で確定申告をしなければなりません。

しかし、その多くは確定申告初心者。慣れない言葉や手続きに戸惑うことが多いようです。知っておくべき確定申告のしくみと今後に役立つおススメ節税術をお伝えします。

会社を辞めた際に、経理担当から「所得税が毎月源泉徴収されています。年末調整されていない源泉徴収票をお渡しするので、今年はご自分で確定申告行ってください。還付金があると思います」なんて言われることがあります。

転勤族妻の転子さんも、頭を悩ませています。本当に「わけがわかないから、知らんぷり!」で良いのでしょうか?実はこの面倒な『確定申告』、上手に行うことでお金が戻ってくる可能性があります。

k_matsubara_1512_1

ではまずこの『確定申告』とは何なのか、税金のしくみを簡単に見ていきます。

税金を払うのは1年間に1度だけ

私たち個人は収入に対して一定の税金(所得税)を払わなければなりません。その計算は1月から12月の1年間の収入に対して行うので、本来は1年に1度、正確な所得税を払います。

しかしサラリーマンはあらかじめ月々の給与から概算の所得税が引かれています。これを源泉徴収と言います。その為、会社は年末に正確な税金を計算し、過不足分を返したり徴収したりします。この過不足の計算が年末調整であり、返ってきたお金を還付金と言います。

夫の転勤で仕事をやめ、無職の転勤族の妻の場合、年末調整を元の会社にお願いすることができません。その為、自分で正確な税金の計算をして過不足を申告します。それが確定申告です。

k_matsubara_1512_2

このように所得税は、年末調整や確定申告を行って、1年に1度正確な税金を確定させます。この計算のなかで、前もって払っていた税金が多かった場合に還付金としてお金が返ってきます。

所得税は減らせる!…だけど誰も教えてくれない

所得税の計算上、収入を減らせるしくみがあります。その一つが、年末に皆さんが慌てて探す『生命保険料控除』証明です。生命保険契約がある方は、これら証明書を出すことで所得税の計算上、収入を減らし、その結果、払うべき所得税も減らせます。これを「所得控除」といい、14種類あります。

このしくみを使うには、年末調整や確定申告で正確な手続きをする必要があります。中には会社が行ってくれない控除もありますので、その場合はサラリーマンであっても自分で確定申告をしなければ、お金は返ってきません。

また時にして、経理担当も税金のしくみに詳しくない場合があります。転勤族であれば、夫の転勤先に税務について聞き慣れた担当がおらず、その妻も新しい土地に知り合いが居なく、うっかり申告し忘れて損をすることがあるかもしれません。

さらに税務署も教えてくれません。その為、確定申告のしくみを知っておくことは転勤妻にとって必ず役に立つことでしょう。