◆投資セクター選好
「今後、価格上昇や市場拡大が期待できる投資セクター(証券化商品含む)(3つまで選択)」について聞いたところ、「ホテル」が82.9%、「物流施設」が43.2%、「ヘルスケア不動産(高齢者向け住宅、健康医療関連施設)」が40.5%などとなった(図表-4)。
昨年度(図表-5)に続き「ホテル」を選んだ回答が最多となったが、さらに今回、ほとんどの回答者が「ホテル」を選ぶに至った。期待を上回るペース(*2)の訪日来客数の増加に伴い、ホテル客室稼働率が過去最高水準で推移している。
これまで、「ホテル」は一部の専門プレーヤーが扱うセクターであったが、最近では、多くの企業でホテル投資担当部署の設置、強化が進んでいる。また、「ホテル」に加え、昨年度大きく増加した「リゾート施設」(13.5%)も、さらに2倍近くに増加した。
その他、昨年度やや関心が薄れていた「物流施設」が、再び大幅に増加した。2015年末から再び大量供給局面を迎えており、当面の需給懸念はあるものの、ストック拡大により流動性が向上し、投資対象として魅力を増す可能性がある。
一方、これまで主な投資対象セクターとして常に上位を占めてきた「オフィスビル」(26.3%)が、大幅に回答数を減らした。空室率低下と賃料上昇の継続にもかかわらず、力強いオフィス需要拡大がみられておらず(*3)、また、不動産価格サイクル(*4)が最も表れ易いセクターであるため、サイクルのピークアウトを視野に、より成長性の見込める他のセクターに見劣りしたとも考えられる。
その他、「分譲マンション」(3.6%)の減少も目立ったが、人口動態や空き家の増加などに加え、最近の価格高騰や杭打ちデータ偽装などによるマンション販売の伸び悩みも影響したとみられる。