IoT,関連銘柄 (写真=PIXTA)

Internet of Thingsを略してIoTと呼んでいるが、どのような内容を指しているのか。IT専門調査会社 IDC Japanは、IoTとは「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なエッジデバイス(モノ)からなるネットワークのネットワーク」であると定義している。少々分かり難いが、要するに「あらゆるものをインターネットで結合させること」だと考えておけば良いだろう。

同社の調査結果によると、2014年の国内IoT市場売上規模は9.4兆円、2019年には16.4兆円に達する見通しであるという。また政府は5年ごとに改定される科学技術基本計画に、IoT分野を重点投資に盛り込むことを決めた。IoTに関連した自動運転システムや人工知能などの開発への投資を、GDP600兆円の目標達成に向けた生産性向上に繋げようというわけだ。

このように、今話題に事欠かず、将来性のあるIoTであるが、関連銘柄にはどのようなものがあるのだろうか。IoTの関連銘柄を徹底解説する。

広範に及ぶ関連銘柄

注目を集めるIoTだが、個別の機器開発から通信環境整備に至るまで、分野が広範に及ぶだけに関連銘柄を絞り込むのも容易ではない。

大手を例にとれば、NTTドコモ <9437> が法人向けにクラウドサービスを提供するほか、ソフトバンクG <9984> はIoT製品を体験できるスペースを開設するなど、普及に積極的な姿勢を見せている。また、三井住友FG <8316> はマイクロソフトと共同して、Windows 10 Mobileを業務支援システムに利用するための技術検証を行うという。

ただ関連銘柄の選択に際しては、全体像として着実な将来性が見込めるIoTであるだけに、むしろ具体的な成果を上げつつある割安小型株に目を配っておく必要がある。最初はほんのちょっとした思い付きであったとしても、それがやがては爆発的な発展を引き起こすきっかけとなる可能性を秘めているからだ。

事業内容を評価する場合には、新しさに惑わされることなく、「本当に求められていたものは、必ず市場に定着する」という原点に立ち戻る冷静さが求められている。

【IoT関連銘柄その1 ロックオン <3690>】

昨今のEコマースは、ECサイト単体だけではなく、物流・決済・広告などの様々な周辺サ-ビスと密接に連携している。ロックオンの「EC-CUBE」は、ASPサービスでは実現できない独自性の高いECサイトの構築やリニューアルを支援するための「オープンソース」として公開されており、すでに100万ダウンロードを突破、推定22,000店舗以上で稼働中だという。

また、同社のマーケティングプラットフォームである「アドエビス」は、導入実績7000件を超える実績ある広告効果測定システムを中心とした「測定」機能を通じて蓄積されたビッグデータをそのまま活用。マーケティングにおける課題解決に活かす機能を充実させている。

同社が目指しているのは、単にWeb領域に留まることなく、スマホアプリやリアルPOSレジ、IoT対応なども視野に入れた、あらゆる関連概念との連携を可能にする「次世代ECオープンプラットフォーム」なのだ。

【IoT関連銘柄その2 アプリックスIPHD <3727>】

経営再建を急ぐ同社は、当面市場拡大が予測されるM2M関連事業に経営資源を集中させつつある。

M2Mとは、機械と機械が人の手を介することなく、通信ネットワークによって互いに情報をやり取りすることにより、自律的に高度な制御や動作を行うことを指している。M2Mの応用例としては、工場における工作機械の集中制御や、ベンダーマシンの在庫状況管理、エレベーターの稼働状況監視などが挙げられる。

またその延長線上には、実際の自動車の走行状況からリアルタイムに渋滞情報を得たり、発電所や家庭の配電盤などにセンサーやコンピュータを導入することによって、きめ細かに電力使用料の監視や供給制御を行なうスマートグリッドなどがある。

一方同社のIOT関連銘柄としての側面を見ると、Bluetooth(ブルートゥース)を利用してスマホを無線に連結し、接続された家電機器の故障や稼働状況をメッセージとして送ることができる製品の企画開発などを手掛けている点が注目される。

【IoT関連銘柄その3 NSW <9739>】

独立系のシステムインテグレータである同社は、システム開発に加えて組み込みソフトや半導体設計に強みを持つ。M2MないしはIoTサービスを実現するために設計された専用プラットフォームの「Toami(トアミ)」は、アプリケーション開発を高速化するノンプログラミング基盤により、市場投入までの時間を大幅に削減するという。

2015年2月 には 協和エクシオ <1951> との協業を発表。自治体向けソリューションをはじめ、防災や農業関連の分野において「Toami」を活かした連携を進めるということで、IoT関連銘柄としても期待が高まっている。

【IoT関連銘柄その4 モバイルクリエイト <3669>】

タクシーやトラック向けの業務用IP無線システムなどを手掛ける同社は、半導体関連の製造装置を手掛ける石井工作研究所 <6314> の発行済み株式32.69%を取得、IoT分野などの事業領域拡充に積極的な姿勢を示している。

主たる事業であるIP無線システムは、IoT分野として注目が高いロボットタクシーや自動運転というテーマにも関係してくる可能性もあり、今後も事業領域の拡大が期待されている。

【IoT関連銘柄その5 sMedio <3913>】

デジタルテレビ、ホームネットワーク、リモートアクセスなどに関連するソフトウェア開発分野で成果を上げて来た同社は、現在はPCやスマホなどのスマートデバイス向けマルチメディアソフトウェアとネットワークの分野に活動領域を広げている。

特に無線ネットワーク構築に関するスマートデバイス向けの最先端のソフトウェアを提供していることから、革新的な新製品開発を始め、急発展するIoT関連分野での活躍にも期待が持たれている。

【IoT関連銘柄その6 ジグソー <3914>】

最後にIOT関連銘柄の本命として、ジグソーを挙げておきたい。

2001年11月に設立された同社の事業は、人工知能制御によるIoTデータコントロール、ロボット型ソフトウェアモジュール群による全自動IoTプラットフォーム、分散型 E2Eデータコントロールアーキテクチャー(分散レジャー)基盤の提供、次世代リアルタイムOS・最先端チップモジュール群及び通信制御技術の研究開発、ビジネスシステムの最適制御・運用技術「オペレーションテクノロジー(OT)」をベースにした全産業の自動化・分散化・シェアリング化のためのA&Aサービスなどがある。

専門的な用語の羅列に一瞬戸惑ってしまうが、要は「専任型」ではなく、複数の顧客を対象としたり特定のサービスを複数人で担当する「シェアリングモデル」を具現化しているのが特徴だ。

また一方で、同社はシステムを通じて得られたビッグデータをベースに、全く新しいコンセプトを持つプラットフォームとして「puzzle」を開発している。このpuzzleは単なる監視システムやマネジメントシステムではなく、サーバやクラウド、あるいはネットワークという枠に捉われないデータ・コントロールの基盤プラットフォームであり、まさにIoTの真価に迫る考え方に基づいている。

IoTが変える世界


M2MとIoTの本質的な違いは、ネットワークにつながる機器の数の圧倒的な違いにある。M2Mの多くは工作機械などの監視や制御といった目的で使われ、閉じたネットワークの中で運用されていた。

これに対してIoTは、M2Mの時代とは桁違いに膨大な数のモノをインターネットというオープンで巨大なネットワークで繋げている。そこにはこれまでに無い大きな価値が生みだされるのだ。

もし電話機が2台しかなかったのなら、そこでやり取りされる情報はごく僅かに過ぎない。しかしそれが数万台になり、数億台になり、今や携帯電話を含めて70億台の電話が世界中で繋がっているのだ。この巨大な「接続数」こそが、M2MとIoTを区別する根本的な違いだ。

IoTはビッグデータを生みだし、人工知能を使った分析手法によって、その価値をさらに高めようとしている。個別的な知識ではなく、大局的な流れを掌握することにより、IoTをより身近に感じることができる筈だ。

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