「税理士」――税の申告書類を税務署に提出、中小企業や商店主が顧客

◆「働きながら試験を受けて一回で合格」はほとんどない難関資格

「税の申告書類を揃えて税務署に提出するのが税理士の基本的な業務。税の知識は難しいところがありますから、街の中小企業や商店主が申告時に税理士に申告を依頼します」とリンクアカデミーの楠本氏は税理士の仕事について説明する。

税理士の試験は年1回。簿記の勉強をしてから税理士の試験を受けるのが一般的だ。最低、簿記2級が税理士試験を受験する際の目安になる。

◆年間の受験者は6万人前後 独立後の年収1000万円以上も珍しくない

税理士の資格取得は、企業への就職や転職の際に有利になると言える。会計、経理、税務を中心とする企業内税理士を採用する企業が増えているからだ。独立したいという人だけが目指す資格ではない。

もちろん独立開業にも合った資格といえる。この場合、近年では税理士の業務は申告書の作成に留まらず、顧客となる企業の経営状態を見つめて、適切な提案を続けることが以前よりも求められる傾向があるという。一昔まえよりも専門家として求められる知見は広く深くなっているのだ。

野本氏は「税の計算自体はPCソフトで行なえる時代なので、コンサルティングが主な仕事になってきています。税の知識をはじめ、時代にマッチする柔軟なコンサルティングが求められます。やはり他の士業の方とネットワークを結んで仕事をされる方が多く、そこではリーダー的な存在になることが多いようです」とキャリア形成を語る。

独立開業にいたる場合、1000万円以上の収入を得ている人も多いそう。税理士の開業においても、個人で開業する場合と、税理士の事務所を開いて経営に当たる場合とで収入は異なると言える。成功例を目指すことは重要だが、まずは着実に増やしていくことを考えるべきだろう。