JPモルガン・チェースがスマートフォンを使って現金を引き出せる機能搭載の次世代ATM「eATM」のサービスを開始する。モバイルアプリを通して発行されたセキュリティー・コードを入力するだけの正真正銘「カードレスATM」の登場となる。

便利性と低コストを追及した新型ATM

JPモルガンのスポークスマン、マイケル・フスコシ氏が米ニューヨーク・ポスト紙に伝えたところでは、顧客はモバイル口座を開設、ログインすることで、従来の磁気ストライプを持ち歩く手間が不要となる。

顧客世代の入れ替わりにともないモバイル決済の需要は飛躍的に伸びており、昨年の87億ドル(約1兆320億円)から今年は270億ドル(約3兆2025億円)までさらに跳ね上がると期待されている。

欧米で既に大人気のPaypalの「Venmo」 やジャック・ドーシー氏が開発した「Square」といった次世代モバイルサービスを意識した今回の動きについて、「イノベーティブでない銀行はライバルに先をこされる」と米金融情報サイト、バンクレート・コムのアナリスト、グレッグ・マックブライド氏はコメント。

昨年から165カ所の支店eATMのテスト運転が行われているが、本格的なサービス開始後は1日あたり500~1000ドル(約5万9325~11万8650円)の引出し限度額が3000ドル(約35万5950円)にアップするなど、顧客の便利性を追求するだけではなく、コスト面でJPモルガンにとって大きな利益をもたらすことになる。

1件65セント(約77円)のコストを要する窓口での引出しと比較すると、わずか3セント(約12円)まで抑えられるモバイルアプリを普及させることは、「チェースATM」がニューヨークだけでも2100台設置されているという点を考慮すると、非常に賢いビジネス戦略だといえるだろう。

将来的にはNFCテクノロジーとスマートフォンを複合させた「タッチシステム」による現金引出しサービスなども予定しているそうで、消費者は進化する次世代ATMを思う存分体験できそうだ。(ZUU online 編集部)

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