資格取得の目的といっても、将来のキャリアアップを見据えたモノから、独立開業を目指すものまでさまざまだろう。働きながら資格を取るうえで気をつけたい3つのことについて、実際に就業しながらFPなどいくつもの資格を取った筆者がまとめた。
心の底から「この資格が欲しい」と思えるものを目指す
まずこれがクリアできれば、あとのポイントは読み流すだけでも結構だと言っていいほどだ。自分が資格を目指すのか目指さないのかを、心の底から考えて結論を出さないと、いつまで経ってもいい結果を出せる社会人受験生にはなれない。毎日惰性で勉強して、会社からは給料は出る。毎年のように「今年もダメでしたー」となる長期受験生は多い。そういうところを自覚して、「何が何でもこの資格を取るんだ」という覚悟は湧いてくることはないし、覚悟がわいてきたときが受かるときだ。
会社の業務は手を抜かない
「何をいまさら言うんだ」と思われる方も多いだろう。資格受験生になると得てして多いのは、「私は〇〇士の試験勉強をしているんだ」という気持ちになって、試験にも合格していないのに気持ちばかり大きくなる方が一定数出てくる。気持ちが大きくなって自信につながるのなら悪いことではないのかもしれないが、業務中にこっそりテキストを広げてみたりして、いかにも許されない行動をとりがちになってしまう。
「家族との時間は過ごせない」覚悟を持ち、家族には理解してもらう
読者の中には、家族と生活をしている方も多いだろう。筆者は過去に資格学校で講師をやっていたが、当時もよく質問された。たとえば「この資格を受けようとして勉強を開始したら、家族サービスの時間は減りますか?」といったものだ。
筆者は正直な人間なので、こう答えた。「受かりたければ、試験が終わるまでは減らしてください。そのかわり、試験が終わったらそれまでの何倍も家族サービスをしてください」
試験とは残酷なものだ。いくら勉強を頑張っても、家族サービスを頑張っても、合格基準点を超えられなければそれだけで不合格とされてしまう。その人の学歴も、身上も、人柄も評価されない。
だからといって、「自分は家族のために試験勉強を頑張っているのだから理解して当然だ」という態度ではいけない。家族もあなたと過ごしたいだろうし、子育て中であれば、配偶者にとってみれば、育児をあなたにまった任せられないとなると、身体的にも精神的にも辛いはずだ。
そこはしっかりと話して理解してもらう必要があるし、「一度話して納得してもらったそれでいい」などと思わず、勉強期間中、ときどきは勉強の経過を報告したり、強いている我慢に対するねぎらいの言葉をかけたりすべきだ。
せっかく資格を取ったのに、その過程で家族に亀裂が入ってしまっては、「そもそも何のために勉強したのか分からない」ということにだってなりかねない。
要は、自分が心の底からやりたいことを見つけて、会社の業務を手を抜かずにやりつつ、疲れた体に鞭打って勉強するから、社会人の資格取得には価値があるのである。逆にいえば、それくらいの覚悟とやる気がなくても取れる資格に、どれほどの意味があるのだろうか。(ZUU online編集部)