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2014年4月7日、日豪首脳会談により、日豪経済連携協定(EPA)に大筋で合意しました。豪州の自動車関税の撤廃と日本の農作物市場の部分的解放、豪州産牛肉の関税の段階的引き下げがおこなわれるとみられます。日豪EPA合意により影響が予想される関連銘柄をご紹介します。


◎日豪EPA大筋合意の概要

日豪EPA大筋合意により、豪州市場へのアクセス、日本市場へのアクセスともに改善することが期待されています。

豪州市場へのアクセスについては、自動車の完成車輸出額の約75%が即時に関税撤廃されます。1500cc超3000cc以下のガソリン乗用車の関税はすべて即時撤廃され、トラックなど大型車も3年目に関税撤廃されます。また、自動車部品については、即時を含み、3年以内に関税撤廃されます。

日本市場へのアクセスについては、鉱工業品に関して、ほぼ全ての品目を即時から10年間で関税撤廃されます。最も注目される農林水産品に関して、コメ、食糧用麦、砂糖、脱脂粉乳・バター等は関税撤廃等の対象から除外または将来の見直しとされていますが、冷凍牛肉を18年間かけて38.5%から19.5%まで、冷蔵牛肉を15年かけて38.5%から23.5%まで段階的に関税率を削減することとしています。ただし、豪州からの牛肉の輸入量が一定量を超えた場合に関税率を引き上げるセールガードを導入するとしています。


◎日本の輸出関連銘柄

日本の豪州への輸出金額の45%が自動車となっています。日本の自動車メーカーにとって、豪州は米国に次いで、2番目の輸出相手国となっており、2013年には約35万台輸出しています。オーストラリア連邦自動車産業会議所(FCAI)によると、2013年の豪州のメーカー別新車販売台数トップ10の内、日本企業が6社占めています。シェアは、1位トヨタ(18.9%)、3位マツダ(9.1%)、6位日産(6.8%)、7位三菱自動車(6.3%)、9位スバル(3.5%)、10位ホンダ(3.5%)となっています。ライバルの米国、韓国はEPAで先行しており、米国の自動車はすでに関税撤廃、韓国の自動車は来年に関税撤廃される見通しですので、日豪EPAの大筋合意により、日本メーカーは、関税撤廃により、米国車、韓国車との価格競争での不利が無くなり、シェア拡大が見込まれます。関連銘柄は以下となります。

トヨタ自動車 < 7203 >
豪州での車両・エンジン生産から2017年末までに撤退予定です。2013年の豪州モデル別新車販売台数の1位(Corolla)、3位(HiLux)、6位(Camry)にランクインしています。

マツダ< 7261 >
2013年の豪州モデル別新車販売台数の2位(Mazda 3)にランクインしています。

日産自動車< 7201 >
2013年の豪州モデル別新車販売台数の9位(Nissan Navara)にランクインしています。

三菱自動車< 7211 >
2013年の豪州モデル別新車販売台数の7位(Mitsubishi Triton)にランクインしています。

富士重工業< 7270 >
2013年の豪州でのスバル小売販売において、過去最高を達成しました。

ホンダ< 7267 >
2013年の豪州メーカー別新車販売台数の10位にランクインしています。