税理士
(写真=PIXTA)

「税理士」と聞いて、あなたはどんなキーワードを思い浮かべますか? 「税金に関する相談」「確定申告」「節税のプロ」といったあたりではないでしょうか。実は、あなたが想像する以上に、税理士が行う業務は幅広いのです。では、具体的にどういう仕事をしているのでしょうか。税理士の基本的な仕事内容から一般にあまり知られていないものについてご紹介いたします。

税理士のみができる仕事

実は、次の3つの仕事については、法律上、税理士だけが行ってよいとされています。言い換えれば、それ以外の一般の方が行った場合は法律違反になるということです。

(1)税務代理
法人税等の申告書を経営者の方に代わって税務署に提出する業務や、税務調査があった場合に経営者の方に代わって税務署に対し経理内容の説明や税務面での主張を行う業務などを言います。

(2)税務書類の作成
法人税等の申告書をはじめ、各種届出書、申請書の作成を行います。

(3)税務相談
税金に関する相談をお受けします。

これらの業務はあなたもご存知かと思います。ただ、実際には、この3つの業務しか行わない税理士はあまりいません。では、他にどういう業務があるのでしょうか。

税理士の意外なお仕事その1 ~経営者の方に代わって会計データ入力

経営者の中には「記帳ってどうしたらいいの?」「簿記が分からない」「やれば自分でできるだろうけど、その時間がもったいない」という方が多くいます。そういう方のために、会計事務所の多くは「請求書や領収書などのデータを送っていただければ、こちらで会計データを作成しますよ」という記帳代行サービスを行っています。

「え?代わりに数字を打ち込むだけ?」

これだけを見れば、そのように感じるのも無理はないでしょう。実際には、記帳代行と共に月次決算を行い、毎月の経営成績の報告と必要に応じての節税の提案をしたり、その都度相談に応じています。

税理士の意外なお仕事その2 ~経営者の方のところへ定期的にご訪問

経営者や従業員の方が記帳を行うとしても、こまめなチェックは必要です。そのため、税理士が経営者の方の元へ定期的に訪問します。訪問した際の業務内容は、基本的には会計ソフトの入力内容の確認(勘定科目や金額、摘要の内容確認、不明な点についてはその都度確認など)になります。このとき、同時に経営者の方に経営状況などの確認を行い、必要に応じて資金繰りや節税などについて相談に応じます。

なお、訪問回数は月1回から3か月に1回、半年に1回など様々です。また訪問頻度により、顧問料が変動するのが一般的です。ただ、税理士がこまめに訪問していればしているほど、会社の経営や資金の状況が分かりやすく、より効果的な節税プランの提案がしやすくなります。

税理士の意外なお仕事その3 ~融資のご相談

会社の規模がある程度大きくなれば、「銀行からの融資を受けたい」と考える経営者の方は多くいます。そういう方の相談に応じ、普段会社の経営状況を把握している税理士が事業計画書を作成することがあります。ただ、この事業計画書の作成にあたっては、融資の現場を知っている金融機関経験者の税理士の方が、圧倒的に強みがあります。起業の段階から「いずれ融資を受けたい」と考えているのであれば、税理士のプロフィールに金融機関での勤務経験の有無をチェックしておいたほうがよいでしょう。

税理士の意外なお仕事その4 ~経営者の方の資産管理

日本の中小企業の多くはオーナー企業、つまり経営者の方の影響力がとても強い企業であるのが特徴です。そのため、企業の会計や税務の手伝いをすることは、自然と経営者の方個人の資産の相談に応じることにもなります。相続対策や事業承継計画の策定などについても、会社の顧問税理士がその都度相談に応じているのが現状です。

まとめ

その他、飲食業などに特化して強みをもつ税理士や、マーケティングが得意な税理士など、それぞれの個性を活かして税金以外の仕事を行っている人がたくさんいます。

税理士を探す場合には、「会計処理にどれくらい時間が使えるか」「規模拡大したときに融資を検討するかどうか」など、まずは経営者としてのスタンスを今一度確認しておいた方が、より相性の合う税理士を見つけやすいでしょう。(提供: TRUSTAX

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