本記事は、池本 博則氏の著書『Unique Piece あなたの価値の育てかた』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

価値は経験によって育っていく
自分には既に沢山の経験があり、その中の特定の経験を見つけて育てていくことが、唯一無二の価値につながっていくことがおわかりになったのではないでしょうか?
ただ、人によっては、時間と経験を重ねるごとに、逆に自分の可能性が狭まっているように感じる人もいるかもしれません。
例えば、自分がまだ学生や新社会人であれば、自分にいくらでも可能性が残されていると信じるのはさほど難しくはないでしょう。
たとえ、「自分にはなにもない」と感じていたとしても、それこそ時間をたっぷりかけて、経験や努力を積み重ねていけば、「自分はいつの日か何者かになれる」という可能性を、自分で信じることができるはずです。
ですが、30代、40代と歳を経ていくと、自分の可能性がかなり目減りしていることを目の当たりにする機会が増えていくかもしれません。
それは実際に、応募できる求人数が減っていたり、採用条件が難しくなったりするなど、厳しい現実によって思い知らされる場合もあります。
また、なにより時間が不足していきます。
家族やパートナーがいる方は、育児や介護などの問題も出てきますから、当然、自分1人のように振る舞うことはできません。
今の仕事でリーダー職などにあれば、業務もかなり増えていくはずです。
さらに、その時間の不足をカバーする体力も少しずつ落ちていくでしょう。
これらに加えて、暮らしの環境も関係します。とりわけ地域の主要都市から離れた地方で暮らしている場合は、自ずと職種の選択の幅も狭まっていきます。
こうした状況が、自分の可能性が目減りしていく感覚を作っているのです。
それでも私は、今の世の中では、30代、40代の人が挑戦できる可能性はかなり広がってきているとみています。
これは、コロナ禍を経てリモートワーク環境が普及し、場所や環境を問わず、フレキシブルに働けるようになってきたことが大きいでしょう。
また、多くの人が、自分の働き方や生き方をあらためて見つめ直したことで、勉強や資格取得などの「自己投資」に踏み出す人が増え、企業や組織でもリスキリングの機運が高まっています。
つまり、どこにいても、何歳であっても、自分がこれまでにやったことがない仕事に挑戦することができる可能性は、間違いなく広がっているのです。
だからこそ、先に述べたように、自分の価値を、まず自分で信じることが重要なのだと思います。
「年齢が高いから」「経験がないから」という理由だけでキャリアが狭まるという考え方は取っ払っていただき、むしろ自分の新しい可能性に挑戦できる環境になっている事実のほうに、ぜひフォーカスしてみてください。
今後は、「人生100年時代」が到来し、50代や60代であっても、次のキャリアデザインを考えていく必要があります。
その流れを踏まえて、国や自治体が様々な施策を展開しはじめていることから、個人の機会と可能性はどんどん広がっていくとみていいでしょう。
ユニークピース社でも、自分の価値を育てて、「好きなこと」をやるという人生の目標を達成するために、本当に出会いたい仕事を見つけて、つなげるビジネスを進めています。
同時に、キャリアアップによってしっかり収入を上げていくという、働く人の現実的な希望を叶えていくことにも注力しています。
価値は経験によって伸びていきます。
どこにいても、何歳であっても、まず新しい経験に踏み出していくことがとても大切です。
そして、実際に行動していくために、今はまたとない時代になっているのです。
自分がもっとも自分の経験の価値をわかっていない
自分が経験してきたことを丁寧に振り返り、なにより、その経験が持つ価値を再認識していただくためのものです。
小さなことでもいいので、なにかを達成した経験や、誰かに褒められた出来事を振り返り、フォーカスを当てていくと、自分の価値が育っていく可能性が高くなります。
人間は、普段どうしても主観的にものごとを考えがちです。
それによって感情に囚われることも多くなり、自分を客観的かつ俯瞰的に認識するのはなかなか難しいことです。
自分がもっとも自分の経験の価値をわかっていないものです。
だからこそ、仕事やプライベートで体験した「嬉しかったこと」「好きだったこと」を、振り返る時間を設けて、実際に紙に書き出していく作業が有効です。
それによって、「その時どんな気持ちだったのか」「なにか新しいことに挑戦していたのか」「これから自分になにができるのか」と、思考を深めやすくなり、自分に合っていることや、今後進みたい方向性なども見つかりやすくなります。
失敗体験やネガティブな出来事も、自分の価値を育てていく上では、大切な素材になります。
「好きなこと」を見つけるという狙いのため、ネガティブな経験にあえてフォーカスしていませんが、それは決してネガティブな経験が無用だという意味ではありません。
ネガティブな経験は、自分がなにかに挑戦しようと思い、実際に行動したから生じたわけですから、むしろ自分の価値を知るための有用な情報が詰まっています。
そこで、ネガティブな過去の経験を洗い出し、今の自分が「どう受け止めるのか」が重要なプロセスになります。
心理学には「リフレーミング」という手法があります。文字通り、ものごとを見たり、考えたりする際の枠組み(フレーム)を変えて、別の視点から捉え直すアプローチのことです。
この方法を使えば、ネガティブな経験の捉え方や視点を切り替えて、異なる角度から光を当てることで、そのメリットや解決策を見出すことができます。
それらを次の行動へと活かすことができれば、ネガティブな経験は、むしろポジティブな経験につながる大きなきっかけとして捉え直すこともできるというわけです。

徳島県吉野川市出身
2003年、株式会社毎日コミュニケーションズ(現:株式会社マイナビ)に入社。
10年以上に渡り、新卒採用支援を手がける。
2015年に営業統括部長として新卒採用領域で、マイナビが様々な指標で業界No.1と評価の出来る成果を達成!
その年のマイナビ全社顕彰年間MVPと社長賞を受賞する。
2016年に執行役員に就任し、既存事業の立て直しと新規事業の設立を担当。
2017年に国内唯一の総合農業情報サイト「マイナビ農業」を立ち上げ、数多くの農業振興に携わることで、労働市場における社会課題に向き合う。
その後、農業におけるマッチングアプリ「農mers」(グッドデザイン賞2019受賞)や、一次産業総合求人サイト「マイナビ農林水産ジョブアス」といった新サービスを開発。
2023年5月、マイナビ生活20年目の節目に円満退職。
2023年6月、株式会社ユニークピースを創業。
ママのための人材サービス「ママアイ」や学生向けスクールウェア提供サービス「ガクユニ」など幅広い領域でユニークな自社サービスを提供する傍ら、多くの企業の事業開発支援などコンサルティングも提供し、現在に至る。
座右の銘は「NEVER STAND STILL」-決して立ち止まらない-
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