税理士
(写真=PIXTA)

2016年2月末現在、税理士の登録者数は7万人を超えています。

今ではインターネットの普及により、業務の依頼をするのに地理的な問題が緩和されました。このような状況の中で自分に合った税理士を探すことは至難の業でしょう。個人事業者や創業間もない中小企業の経営者が初めて税理士に依頼をする場合は、何を基準に選べばいいのでしょうか?規模、報酬、業務内容等によって税理士法人(事務所)を次のカテゴリに分けそれぞれの特徴を検討していきたいと思います。

● 大規模税理士法人タイプ
税理士登録者が100名以上在籍し、知名度とブランド力があることが特徴です。このような税理士法人は上場企業等の大規模な会社を顧問にしているところが多く、報酬も高めです。

扱っている業務内容もM&Aや国際税務など大規模な会社特有のものが多いため、個人事業主や創業間もない中小企業の経営者がお願いするメリットはあまりないでしょう。

● 特化型税理士法人(事務所)タイプ
特定の業界や税金に特化した税理士法人(事務所)です。例えばHPで「医療業界に強い」「飲食業界に強い」「相続だったらお任せください」などとうたっているところです。規模的には中規模~大規模なところが多く顧問報酬もピンキリとなっています。

医療、建設、飲食等その業界特有の税務上のアドバイスを受けることができます。また、相続税などのスポット的に発生する税金に関しては、税理士の腕一つで納税額が大きく変わってきます。通常の顧問税理士とは別に、特化型にお願いするという方法もあります。自分の業界に合ったアドバイスを受けたい、相続などスポット的な案件に対応してもらいたいという方は検討の余地があるでしょう。

● コンサルティング税理士法人(事務所)タイプ
従来税理士の主な業務内容は税務代理、記帳代行、税務相談等が主でした。しかし近年、経営計画立案や管理会計導入などコンサルティングを得意とする税理士が増えています。規模的には小規模なところから中規模なところまで様々で、代表は公認会計士や中小企業診断士などの資格を取得されている方が多いのが特徴です。

報酬はコンサルティングが加わるため少々高めですが、税理士に経営上のアドバイスも積極的に受けたいと考えている方は検討しても良いでしょう。

● 報酬重視税理士法人(事務所)タイプ
顧問報酬を限界まで抑えその分業務内容をコンパクトにした近年増加している新興型の税理士法人(事務所)です。毎月の顧問報酬が1万円を下回るところもあり、規模的には小規模~中規模で所長の年齢が若く従業員も経験の浅い若い方が多いのが特徴です。

多彩な報酬メニューが用意されているところが多く、自分に合った顧問形態を選ぶことができます。税理士に高い報酬を払う余裕がない、まだ付加価値の高いサービスは必要ないという方にはおすすめです。

● 地元密着小規模税理士法人(事務所)タイプ
日本の税理士法人(事務所)の約8割を占めているのが従業員10名以下の地元密着小規模タイプです。会社の会計まわりをすべて担当し、所長自らが顧問先を訪問するところが多いのが特徴です。

顧問報酬は税理士事務所によって差がありますが、個人事業者や創業間もない中小企業の場合毎月の顧問料は5万円以内で抑えられているところが多いです(決算料は別)。また、創立時に経営者が直面する問題(融資問題、労務問題、会計ソフトの選定等)を幅広く指導してもらえる点がメリットです。ある程度の資金があり、幅広いサービスを受けたい場合にはまずこのタイプの事務所を検討することをおすすめします。

まとめ

以上、代表的な税理士法人(事務所)の形態を見てきました。実際はこのようなカテゴリに関係なく様々な形態が存在します。

税理士選びのコツは「自分がどのような業務を税理士にお願いしたいか」「顧問報酬はいくら払えるか」を明確にすることです。そのうえで、上記のカテゴリを一つの目安として検討していく方法がよいでしょう。

税理士選びの方法は電話帳、税理士名簿、事務所HP、税理士紹介サイトなどたくさんありますが、税理士との相性が一番重要なため、やはり直接コンタクトをとることをおすすめします。近年はHPやブログなどで代表自らの考え方を明確にしているところも多いので、参考にされてみてはいかがでしょうか。(提供: TRUSTAX

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