キトー,株式新聞
(写真=Thinkstock/Getty Images)

搬送装置大手のキトー <6409> が、新たな成長ステージに入る。ここ数年にわたり拡大してきた売上規模を土台に、利益追求型の「稼ぐ企業」の色合いを強めていく。需要の堅調な国内市場をけん引役に、中国工場をグローバル製造拠点に押し上げ、タイでは生産集約で収益性を高めるなどしてボトムアップを図る。増収増益が見込まれる来3月期と、間もなく発表される新たな中期経営計画を先買いしたい。(3月23日株式新聞掲載記事)

同社は工場や建設現場で重量物を搬送する「巻上機(ホイスト)」を主力とする。特に、パーツにチェーンを使用するタイプのホイストのシェアは国内で6割と圧倒的に強く、北米でも約4割を占める大手クラス。前々期にはホイスト部材のチェーンメーカーである米ピアレス社を買収し、現地での生産体制を拡充した。

ピアレスの業績がフル寄与する今期、連結売上高は567億円(前期比13.5%増)と過去最高を更新し、営業利益も46億円(同35.5%増)に伸びる見込み。市場環境の悪いアジア市場(中国、東南アジア)の減速で、期初計画(営業利益55億円)こそ下方修正したものの、利益率の高い国内事業の好調を背景に大幅増益となる。原油安と暖冬が逆風だった北米についても、買収したピアレスが黒字を堅持する。

同社はこれまで、業容を広げるためにトップライン(売上高)の切り上げにまい進してきた。2010年3月期の239億円を底に、今期(見込み)までの6年で約2.4倍という大幅なスケールアップを達成。まだ売上1000億円企業という将来像を残しつつも、ここで経営陣はいったんかじを切る。来期以降を展望する新中計では、従来示していなかった利益目標を打ち出すことが予想される。

実際、ここ数年は売上高が一貫して成長している一方、過去5期(今期見込みまで)の営業利益率は古い方から順に5.0%(営業利益17億円)、7.1%(同25億円)、9.6%(同40億円)、6.8%(同34億円)、8.1%とばらつきがある。しかし、これを補正し、利益面でも着実に上積みを重ねる準備が整いつつある。

その一つが生産だ。海外拠点を整備する中で、特に注目されるのが中国工場の役割の変化。これまで同国内での地産地消を基本としていたが、日本を含むアジア圏へと需要先を広げるもよう。コスト削減によって同国事業の利益率は改善傾向にあるが、今後は稼働率の高まりによる一段の収益性向上が期待される。タイも来期は構造改革の効果が出る。

株価は12月高値が視野

需要面では国内で20年の東京五輪関連の需要が顕在化しつつあるほか、今期はエネルギー産業向けなどで伸び悩んだ北米事業が、原油価格の底入れや在庫調整の一巡に伴い上向く可能性が高い。PER9倍台、PBR(株価純資産倍率)0.9倍台と株価に割高感はなく、中期的に昨年12月高値(1110円)の奪回が視野に入る。(3月23日株式新聞掲載記事)

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