嗜好品投資の内容と主なカテゴリー

嗜好品投資のカテゴリーは、様々な分類方法がありますが、ここではメリルリンチ・グローバル・ウェルスマネジメント発行の ワールド・ウェルス・レポート日本語版 内にあります下記の5分類を掲載します。

①高級車やクルーザー、自家用ジェットなどの高級収集品

特に高級車は成長著しい新興国で人気が高く、ベンツやフェラーリなどのブランド社の中国での売上げの伸び率は毎年数十%と好調です。

②絵画や彫刻などの美術品

嗜好品投資の中でも、美術品は金融投資の一形態とみなされることが最も多いジャンルです。アート関連のアドバイザーの42%が、「富裕層顧客が主にキャピタルゲインの潜在力を理由として美術品に投資していると考えられる」と述べているという報告もあるほどです。
地域別では、欧州や中南米の富裕層の間で特に人気が高いといわれています。

③宝飾品、宝石、時計

2010年の国際オークションで、ダイヤモンドが過去最高価格を付けました。世界の富裕層の間では、大型ダイヤモンドを安全かつ高成長の代替的な投資手段とみる傾向が強まっています。
なお、市場の最高級品に対する需要の大部分は、ロシアと中東であると言われていますが、中国や他のアジア太平洋の投資家からの需要も急速に伸びてきています。

④ワイン、アンティーク、コイン、記念品などのその他収集品

このジャンルの市場規模は、①~③に比べると小さくなります。
現在は金価格の上昇により、コインなどへの人気が高いとのこと。またアジア圏の新興国の成長と新たな富裕層の出現に伴い、高級ワインへの需要も拡大しています。

⑤クラブチームを所有、または出資するスポーツ関連投資

嗜好品投資の中でもだいぶ少ない比率になりますが、スポーツチームへの投資も嗜好品投資に分類されます。
このジャンルへ出資する比率が比較的高かったのは、中東や日本を除くアジア太平洋、また中南米の富裕層とのことです。
また、サッカーのフランチャイズは特に人気が高く、近年、ロシア、インド、中東などの新興国/成長国の富裕層が、サッカー・フランチャイズ関連の取引を数多く行っています。

これら嗜好品資産の人気に関する要因は、投資家の年齢から自国経済の安定度合いまで多岐にわたるといわれています。
ただ、大半の国の共通傾向として、宝飾品の人気が突出しており、次に美術品や骨董品が続くとのことです。

また投資家の年齢で見た場合ですが、美術品や骨董品の人気が高いのは比較的年齢の高い層。逆に若年層は自動車、ワイン、貴金属、宝飾品を好むと言われています。また、より若い富裕層ほど、嗜好品投資に対して熱心である例が多いと言われています。
アジア圏の富裕層は、日本を除き、他の地域に比べてその年齢が若いと言われていますので、アジアでの嗜好品投資は今後ますます活発になるかもしれません。