以前の記事 「欧州人の伝統的投資手法~ワイン投資~」 でもご紹介しましたが、2008年の金融危機以降、コモディティー(現物商品)やヘッジファンド、不動産などに投資をするオルタナティブ投資(代替投資)を行うことが増えてきました。
オルタナティブの中の一つのジャンルが、高級品や美術品、または宝石などへ投資する嗜好品投資であり、新興国の富裕層に人気があります。
(ワイン投資も、この嗜好品投資の一つになります。)
嗜好品投資自体は、金融ショック以前から存在し、市場は拡大傾向にありました。そして金融危機後の一時期は落ち込みましたが、2010年以降にまた回復し、現在は新興国の富裕層を中心に再び拡大傾向にあるとのことです。
本日はこの嗜好品投資について、まとめます。
嗜好品投資の特徴と活況の背景
嗜好品投資の大きな特徴の一つは、心理的な理由によって生ずる所有欲が、投資行動に大きく影響を与えることです。
そして、富裕層になるほど嗜好品に対する所有欲が高まる傾向が高いため、新興国の経済成長と、それに伴う世界的な富裕層の増加(特に新興国の富裕層)により、嗜好品投資市場は拡大していると言われています。
また、嗜好品を金融商品として見たとき、グローバルな金融市場との相関が低いとされているため、リスクヘッジのためにポートフォリオへの組込みをしたがる富裕層も増加しているといわれています。