ドイツ高級車と日本車はどうか?
都心で我が物顔に振る舞うドイツ系高級車、気になる日本車のランキングはどの辺りだろうか。
11位にカローラ(一汽豊田)が出てくる。以下27位エクストレイル(東風日産)、31位CRV(東風本田)、36位BMW5系(華晨宝馬)、44位アコード(広汽本田)、45位カムリ(広汽豊田)、46位ヴェゼル(広汽本田)、48位レビン(広汽豊田)、53位X−RV(東風本田)54位CRIDER(広汽本田)、55位RAV4(一汽豊田)、57位VIOS(一汽豊田)、59位ティアナ(東風日産)69位フィット(広汽本田)、70位BMW3系(華晨宝馬)、75位サニー(東風日産)、77位ベンツC級(北京奔馳)、86位ハイランダー(広汽豊田)となっていて、日本車は量販車とドイツ系高級車の中間に位置している。
それにしてもクラスのまったく異なるフィット9万5963台とBMW3系9万5240台が競り合うとは、さすが2000万台市場は奥行きがある。
某日曜日、好立地に建つ老舗の大型集合マンション駐車場で100台チェックを行った。ポルシェ、ボルボを含む高級ドイツ車が25%、フォルクスワーゲン15%、レクサス含むトヨタ10%、その他日本車10%、GM・フォード10%、その他30%。おおまかに言ってこんな感じであった。やはり金持ちは圧倒的にドイツ車びいきだが、日本車も2位の座を固めていた。これは都心部と高級マンションのイメージをそのまま表している。
日本車にチャンス到来か
労働者の賃金は上昇を続け、ボトムラインの車に手が届くようになった。そのため郊外立地の工場では、車通勤の従業員が激増し、駐車場の確保に追われている。某日系工場では敷地外の公共スペースに勝手に白線を引き、仮駐車場にして急場をしのいでいる。5年前には考えられない事態である。
今年も最低賃金は大幅アップされる見通しだ。トップ10に名を連ねる入門者用小型車は安定した売り上げが見込まれる。
高級車市場はどうだろうか。中央政府は昨年、「公用車改革」を行い3868台削減した。大規模な公用車競売も話題となった。
また新規取得の30%は“新能源”(新エネルギー、電気自動車など)車を購入するよう義務付けられた。中国メーカー優先姿勢も顕著になり、価格制限もある。公的需要はもはや望めず、中産階級では手放す人が増加している。
高級車市場は2010年△80%、2011年△30%と大きく伸びていて、それらが中古車として出回る時期でもある。そういえば最近、中古車仲介業者の広告がやたら目に付く。
日本車にとって悪くない環境のよう見える。元来、公的需要は少なく打撃は小さい。ライバルはドイツ系高級中古車、新車ではフォルクスワーゲンとGMでターゲットは明確だ。SUV好きという傾向もはっきりしている。
特に頑張りを期待したいのは、かつて「馬6」(アテンザ)を中国で大ヒットさせたマツダと、今一つ中国におけるイメージが定まらないトヨタである。このチャンスに何とか新しい風を起こして欲しいものだ。(高野悠介、現地在住の貿易コンサルタント)
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