業界別,仕事,働き方
(写真=The 21 online)

あなたの仕事&働き方はこう変わる!

自分のいる業界の現状と将来を知り、それに備えて「働き方を見直す」ことは、40代以降の人生を考えるためには必須。そこで、「最も予測が当たる経済アナリスト」として知られる中原圭介氏に各業界の未来を、雇用・労働問題に詳しいジャーナリストである渡邉正裕氏に、働き方の未来についてうかがった。

食品業界

高付加価値化とブランディングがカギ

国内では、健康志向の上昇を受け、高付加価値の加工食品が成長。また、海外展開では、世界第2位の農業製品輸出大国オランダのように、日本の食品を他国に売り込むブランディング&販売戦略ができるかにかかっている(中原)。

国内市場は堅調、退職まで逃げ切ろう

国内市場は堅調。海外展開については、国ごとに嗜好が異なるため、輸出することが難しい。ローカルマーケットに適したグローカルな商品展開ができれば成功もありうる。とはいえ、今の40代は、現状維持で退職まで逃げ切れるだろう(渡邉)。

IT

市場は飽和気味。次の波に乗れるかが勝負

スマートフォンの登場以降、市場は飽和状態。次世代情報技術と目されたビッグデータはトレンド追従型の集積情報に過ぎず、今以上のブレイクをするかはわからない。ただし、ビッグデータはAIと結びつき、製造業のあり方を大きく変える可能性がある(中原)。

「ITプラスアルファ」の人材を目指そう

技術に特化しただけの人材は、淘汰される可能性がある。今後は、「観光×IT」「スマホ×中国語」などといった、IT技術を他の分野と掛け合わせることで力を発揮する人材が求められる。他業種のビジネスチャンスにアンテナを張る働き方が求められてくる(渡邉)。

総合商社

資源、食料は限界。新市場開拓が急務

バイオ関連市場は成長の可能性があるものの、資源・食糧の分野に成長は望めない。新しい市場の開拓が求められるが、いまだ及び腰な商社が多い。最近の総合商社は、投資家として参入する側面の事業が多く、ファンドとの競争にさらされるリスクも(中原)。

チャンスの多い職種。40代でも挑戦し続けろ!

世界中の市場が成長している現在、チャンスは多いにあり今後も成長し続ける。IT化、グローバル化は好機。40代であっても、挑戦し続けて損はない。たとえ、出世コースから外れたとしても、投資先の企業にそのまま残留し、楽しむのもありだ(渡邉)。

教育

次の一手が見えない混乱期に

2020年の大学入試改革を見据えて、教育産業は変革期に突入。大学は淘汰されないよう、カリキュラム編成や留学生受け入れ制度などといった改革を進めている。それに伴って、塾業界も教育内容をどうすべきか模索中。少子化もあり、大変動は必至だろう(中原)。

「トップクラス」とその他大勢の格差が広がる

人口減社会において市場は縮小。国内で過当競争するより、海外に日本の教育ノウハウを輸出すべき。また、今後は東進ハイスクールのサテライト授業のようなIT化が進む。そのため、トップクラスの講師や、海外事業を展開できる人材は生き残ることができる(渡邉)。