エネルギー

競争激化で消費者にはプラスだが、事業者は苦しく

電力小売全面自由化により、ソフトバンクが料金引き下げ競争の先鞭をつける一方、資源燃料の状況は変わらない。世界的に供給過剰の状態が続き、石油関連事業では利益率が低くなる。再生可能エネルギーはピークを過ぎ、新規参入しても投資の回収は難しい(中原)。

それでも雇用は安泰

外資が参入できない守られた市場である。そのため、今後も業界は盤石。その中でも最も安泰なのは競争相手のいないガス業界である。また、電力自由化が叫ばれているが、供給ルートを含めた自由化は当分先の話なので、リストラされる見込みは少ない。(渡邉)。

医療・介護

市場は拡大するが、国内のみでは限界も

医療従事者の給与にも反映される診療報酬本体の引き下げが進めば、高齢者医療で市場は拡大しても、医療・介護従事者の所得は増えるとは限らない。世界の潮流である病院の株式会社化によって、積極的に海外の富裕層を患者として取り込めるかが今後のカギ(中原)。

賃金はともかく、食いっぱぐれのない業界

国が最低賃金を引き上げない限り、人件費は横ばいの見込み。ただ高齢化に伴い、人手は圧倒的に不足。また、外資の参入の見込みも少ないため、この仕事に就く限り、何歳であっても仕事を続けることはできる可能性が高い(渡邉)。

不動産・住宅メーカー

今後の雲行きには注意が必要

市場は現在過熱中。大都市は不動産価格が上昇しているが、地方は下降の一途。都心の地価を上げているのは一部の外国人投資家だが、オリンピック前に、投資家の買いが一服するためピークアウトし始めると予想される。宴の後は要注意(中原)。

国内でも安心だが?、海外進出も狙い目

今は人手不足でも、東京オリンピック後は未知数。ただし、不動産市場は規制で守られていて外資参入がしにくく、外国人に職を奪われることはない。また、日本の住宅造りの技術は海外から見ても高いため、職人の技術を持つ人は海外へ飛び立つチャンスも(渡邉)。

農業

「海外に売れる」かは正直未知数

「日本の農産物は品質が良い=海外富裕層に売れる」という発想は短絡的。新興国での富裕層のパイを考えれば、十分な利益がとれる市場と言えるかは疑問である。世界の需給を見極めた展開が今後の鍵(中原)。

攻めの農業ができる人にはチャンス

TPPの影響で国内市場はジリ貧に。とはいえ、生鮮食品の輸出も難しい。アジアなどへ進出し、日本の技術を駆使した農産物を現地で生産するというのならば活路がある。40代であっても、海外へ出る気概を持つ農家ならば生き残る(渡邉)。