名言から私たちは何を学ぶか

数十年、数百年前の言葉が時代を経ても色あせず多くの人の共感を得ているのは、彼らが物事の本質を考え抜き、信念を持って示した言葉だからです。

19世紀にドイツを統一したビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を残しましたが、歴史には、現在の私たちの問題解決の助けとなり、未来を考察するための教訓が多く見られます。

それを伝えるのが、強い言葉です。時代を作った経営者や政治家が残した名言から、現代に通じる多くの示唆を得られます。そして、名言の背景や意味を考えれば、現状の問題を解決するヒントだけでなく、未来を見通す洞察力がつけられるでしょう。さらには、歴史を学ぶことで、社会を俯ふ 瞰かんして見る視点も得られるに違いありません。

竹中平蔵(たけなか・へいぞう)東洋大学教授・慶應義塾大学名誉教授
1951年、和歌山県生まれ。1973年、一橋大学経済学部卒。2001年、経済財政担当大臣に就任。以後、金融担当大臣、総務大臣などを歴任する。2013年、安倍政権で産業競争力会議有識者委員に就任。著書に、『竹中流「世界人」のススメ』(PHPビジネス新書)ほか多数。(取材・構成:林 加愛)(『 The 21 online 』2016年4月号より)

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