なぜ、組織は「永続」しなくてはならないのか

生き残りをかけた戦いを繰り広げているのは、現代の企業も同じです。

我々が暮らす現代には、2通りの企業があります。

1つが「生き残ることができる企業」。

そして、もう1つが、「生き残ることができない企業」です。

ビジネスの世界において、望まれるのは、前者であることは言うまでもありません。なぜなら、企業には「永続性」が求められているからです。

たとえば、会社が急になくなることになったら、そこで働く社員は困ってしまいますよね。また、その会社から生み出される製品やサービスをうけられなくなって困る人もでてきてしまいます。そのため、企業には「永続性」が求められているのです。

弱者には「強者を手玉に取る力」が必要

では、「生き残ることができる企業」になるか、「生き残ることができない企業」になるかの差はどこから生まれてくるのでしょうか。

この理由には多くのものがあると思いますが、「真田丸」を見ていると、真田家のような弱者が生き残るために重要な要素が1つあることに気づきます。

それは「強者の力をうまく活用すること」です。

信繁の父であり、この時代の真田家の当主である真田昌幸は、かなりの知力の持ち主です。実際、昌幸は、武田家滅亡後、織田信長、北条氏直、徳川家康、上杉景勝、豊臣秀吉といった錚々たる武将たちと同盟や離反を繰り返し、その窮地を何度もその知力で乗り切っています。

その中でも秀逸なのが、昌幸が家康と組んでいた際のエピソードです。上杉氏への備えが必要だという理由で、その後の真田家の居城となる上田城を、徳川家の資金で作らせているのです。

しかし、昌幸は、徳川家に城まで作らせておきながら、その後、徳川家を裏切ります。そして、なんと! ライバルの上杉景勝に従うのです。これには、さすがの家康も激怒したと言われています。

当然、徳川軍は真田の上田城を攻めてきます。その数は7000人。対する、真田軍は2000人。3倍以上の数で徳川軍は真田の上田城を攻めてきたのです。

しかし、この徳川の大軍を真田軍は上田城で撃退してしまいます。

つまり、昌幸は、徳川の資金で自身の新たな居城を得ることにより、以前よりも強固な軍団に真田家を変化させていたのです。これは小国の真田家が生き残るために、徳川家という強者の力をうまく活用した例と言えますよね。

このように昌幸と真田家は、その後も強者の力をうまく活用することにより、なんとか生き残っていくのです。