忘れた頃にやってくる「不動産取得税」 購入時に計算を!

もう一つ遅れてやってくるものに不動産取得税がある。固定資産税と違い、普段あまり目にしない一過性の税金だけうっかりし易い。不動産を取得して半年以上経過して、忘れた頃に請求がくる。しかも金額が大きい。

固定資産税評価額×4%(現在は軽減税率適用中で3%)で計算され、市町村から請求が来る。これもローンの対象外。やはり自己資金が必要になる。

会社員に人気の投資法として、都内の区分マンションがあるが、説明資料には固定資産税や不動産取得税について記載してないものが多い。購入検討時には将来の修繕費を含め、きちんと計算するようにしよう。

CF(キャッシュフロー)と利益の違い

現金の動きであるキャッシュフローと財務上の収支の違いやタイミングのずれは、不動産賃貸業だけに限らずビジネスの世界ではごく普通のことだ。ただ、会計のことを知らずに家計のつもりで見ていては、なかなかピンと来ないものも多い。

特に不動産投資で重要なのは3つ。

(1)減価償却は現金支出がないが、経費として売上から差引くことができる
(2)ローンの元本返済は現金支出を伴うが経費にはならない
(3)敷金は預かり金なので、売上ではない

初心者は損益と貸借の区別を学んでいないので、この違いで混乱する人が多い。ぜひ会計を学んで損益科目と貸借科目を理解して欲しい。

家賃滞納に注意 「踏んだり蹴ったり」

不動産賃貸業では滞納があれば特に悲惨だ。家賃入金が無くても「売上」なので計算上の利益が出れば税金の対象になる。家賃という「売上」が計上され、「売掛債権」になっているだけなのだ。入金が無いのに税金は取られる。正に踏んだり蹴ったりだ。

現金の動きと財務上の損益は別物と心得て、資金繰りをショートさせないように目くばりしよう。できれば会計も学んでほしい。

山本 常勝(やまもと つねかつ)
サラリーマン不動産投資家。定年の声が近づく中、自分年金作りを目標に53歳から本格的に不動産の勉強を始め、数多くの不動産を取得して賃貸事業を拡大、2.7億円の資産形成に成功する。登録メンバー1600名を誇る不動産投資サークル「 ふどうさんぽ 」事務局を務めながら、ファイナンシャル・プランナー(AFP)としても情報発信中。

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