認知症とは、特有の症状の状態を表すもので、じつは病名ではありません。また、高齢者だけがなるものではなく、64歳以下でかかる場合を若年性認知症と呼びます。場合によっては、本人も周りも気付かず、物忘れと思っていたものが、ときには気づかないあいだに記憶の障害が起こり、やがて判断力や言語機能などの大脳の高次機能が次第に侵されていく病です。
認知症は高齢者だけではない
若年性認知症は、平均で51歳頃からの発症が多く、働き盛りの年齢であり家族や周囲への影響も大きく、近年関心を呼んでいます。症状の進行は個人差が大きく、そのため、早期発見・治療が大変重要です。軽度で発見できれば、抗認知症薬やリハビリによって進行を遅らせることができるといわれています。
若年性認知症が疑われるときはここをチェック
単なる物忘れと若年性認知症とでは全く異なります。年齢を重ねて物忘れが増えてくることはありますが、認知症の物忘れは、例えば、ヒントがあっても、人と会ったこと自体を思い出せないようなものです。
アルツハイマー症は認知症の一つの症状です。認知症のうち6〜8割を占めているといわれています。そこで気になるときには次の“サイン”をチェックしてみてください。
米国アルツハイマー病協会では以下のような「アルツハイマー病かもしれない10のサイン」を公表しています。
1 日常生活に支障が出るほどの記憶力低下
2 計画立案や遂行力、問題解決力が低下
3 やり慣れた作業をやり通すことが難しくなる
4 日付や場所が分からなくなる
5 目で見たものや空間的な関係を理解できなくなる
6 話したり書いたりするときに、言葉につまる
7 物をどこにおいたか思い出せない
8 断力の低下
9 仕事や人との関わりをやめてしまう
10 気分や人格の変化
※若年性認知症の原因はアルツハイマー症だけではないため、上の症状に当てはまらなくても気になる症状がある場合には専門医の診断を受けてください。