一家の大黒柱が、急病で倒れたら……。一度はそんな想定をしたことがあるのではないだろうか。ある生命保険会社が、20〜49歳の女性(主婦)を対象に「夫が働けなくなるリスクに関する意識調査」をしたところ、主婦の3人に2人が「夫が病気やケガで、長期就業不能になった場合を考えたことがある」と答えている。
一番気になるのは「日々の生活費」で、85%もの主婦が不安だと答え、その対策として「貯金を切り崩す」「もっと働く」「娯楽費を減らす」などの順となっている。
しかし問題なのは、貯蓄のない世代が、20代で41.0%、30代で34.2%、40代で30.4%と3-4割を占めていること。余裕のない生活を送っていることが調査では分かっているのです。
蓄えだけでは乗り切れない 制度の有効活用を
蓄えがあったとしてもそれを切り崩して生活できるのは、余裕のある一部の人だけだろう。乗り切るには既存の制度を出来るだけ利用することだ。
大黒柱が倒れたとき、会社勤めと想定して、「有給休暇」の残日数をまず確認したい。そして長期化しそうなら「休職」制度も検討しよう。会社の規定(休職期間、賃金)により違いがあるので予め就業規則等で確かめておくことも必要だ。
社会保険の健康保険には、病気やケガで会社を休んだときに、傷病手当金が受けられる。支給開始日から最長1年6カ月。おおよそ給料の6割を受給できる。
もし病気が重大で障害者となった場合、今度は障害厚生年金や障害基礎年金を受給することになる。
しかし自営業となると障害基礎年金は受けられるが制限が大きく、傷病手当金も労災もないため、医療保険で自衛するしかない。
国民年金の不払いが話題になっているが、国民年金は年金だけでなく、このいざという時に必要な障害基礎年金もかかわっている。
障害基礎年金の保険料納付要件は、「保険料を納付・免除されている期間が年金の加入期間の2/3以上であること」「初診日が65歳未満であり、初診日の前々月迄の過去1年間に年金保険料滞納月がないこと」と決められている。未納の場合は受けられない可能性が出てくるので注意したい。