高い評価には「古さ」よりも「希少性」が効果的
記念硬貨が発行されたオリンピックは、ほかにもあった。1998年に行われた長野冬季オリンピックでは、1万円金貨と5000円銀貨、500円白銅貨が、計9種類発行されている。
1万円金貨は3種類各5万5000枚が3万8000円で販売されたのだが、東京オリンピックの記念硬貨と比較するとかなり数が少ない。10万枚発行された2002年FIFAワールドカップ記念1万円金貨、7万枚が発行された2005年愛知万博記念1万円金貨は共に4万円で販売された。これらは希少価値が認められ、それぞれ販売価格を上回る5万円以上の相場になっている。
販売価格の違いに加え、通貨の価値が変化しているとはいえ、これらに比べれば東京オリンピック記念硬貨の相場は振るわない。発行枚数が少なく、希少性がある硬貨のほうが高評価になるということだ。
忘れてはいけない、重量ももちろん重要要素
1986年と1987年に発行された「天皇陛下御在位60年記念」の10万円金貨と、1991年に発行された「天皇陛下御即位記念」の10万円金貨も広く知られている記念硬貨だ。
前者は表に平和の象徴である鳩と、日本の自然や稲作文化を表す水とが描かれ、裏には菊のご紋章がデザインされている。素材は純金で、重量が20グラム。1986年には1000万枚が、1987年には100万枚が発行された。
これに対して後者は表に鳳凰と瑞雲が、裏には菊の御紋に加え、桐と唐草がデザインされている。素材は同じく純金なのだが、こちらは重量が30グラムで、200万枚が発行された。
この両者の買取価格を調べてみると、前者が額面通りの10万円にしかならないのに対して、後者には1割5分弱のプレミアムがついている。共に発行量の差もあるが、同じ額面でも重量の差が買取価格を左右している好例だと言えるだろう。
これから発行される2020年東京オリンピック・パラリンピック記念硬貨の価値価格や価値が気になるところだ。気になる発行枚数や重さなどは、今のところ詳細は未発表だ。もしある程度枚数が制限されるのなら、期待はできそうだ。もし購入することに決めたのなら、保存状態には極力気を配りたい。そして、将来の楽しみに飾っておくのも悪くないだろう。(ZUU online編集部)
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