「糖質制限」は元来、糖尿病患者のための食事療法として位置づけられていました。できるだけ糖質の摂取を抑えることで、食後の高血糖を防ぐのが糖質制限のねらいです。わかりやすく表現すれば、米やパン・麺類など糖質が主成分となる「炭水化物」を制限し、その分おかずを多めに食べる、という内容になります。
炭水化物は、総じてカロリーが高い傾向にあり、どんぶり物や麺類・スナック菓子などを多く食べ過ぎると「内臓脂肪」の基となり、「メタボ体型」を作り上げてしまう原因となります。
糖尿病患者のためにある糖質制限メソッドの中核である「炭水化物の制限」。炭水化物の制限でカロリー摂取を抑えることが、内臓脂肪の低減や増加予防など「メタボ解消ダイエット」の応用へと広がることは必然と言えそうです。
極端な炭水化物の制限が招く、失敗しやすい糖質制限とは?
そもそも「糖質」と「炭水化物」には、どのような関係があるのでしょうか。正確に表現すれば、炭水化物は「糖質と食物繊維」からできています。
食物繊維は主に腸内環境を改善する働きがあり、糖質は脳や筋肉の栄養源となります。よって炭水化物は、人体にとってとても重要な栄養素と言えるのです。この糖質と炭水化物の関係性は、糖質制限ダイエットを失敗させてしまう要因にも関係してきます。
「炭水化物を摂取しないことが糖質制限につながる」という単純なロジックだけでは、ダイエットの失敗だけでなく、健康を害してしまうことにもつながりかねません。極端な炭水化物の制限は、脂肪だけでなく「筋肉」さえも細くしてしまい、筋肉の衰えが「基礎代謝の低下」につながります。
脳も命の危険を感じることで、消費エネルギーを抑え体重を維持しようとします。結果、「やせにくく太りやすい体質」を作ってしまうのです。