こうした動きに加え、検査を受ける側としても自分の遺伝的な特徴を知りたいという動機が挙げられます。

遺伝子検査サービス会社のサービスメニューを見ると、

・ 親子遺伝子検査として話題をよんだ「自分のルーツを探る遺伝子検査」
・ 病気にかかるリスクがわかる「がんや疾患などの遺伝子検査」
・ 体質ごとの効果的なダイエットをするための「ダイエットなど健康に関する遺伝子検査」
・ 男性型脱毛症の対策に使われる「薄毛に関する遺伝子検査」

と、興味を引くメニューがそろっており、遺伝子検査サービスが身近になったことを伺わせます。検査内容はサービスによって異なりますが、概ね次のような流れになっています。

1. 検査メニューを選択
2. 検査キットが届いたら試料を入れて郵送
3. 遺伝子解析
4. 検査結果を郵送で受領
5. 予防や生活改善などのアフターサービスを受ける

検査のための試料は、昔は血液採取だったものが、今は唾液採取や口の粘膜採取などより簡単になっています。

注目を集める一方、遺伝子検査サービスを実施している会社は多くなり、サービスの内容も広がったため、全国の消費生活センターなどに寄せられる苦情も増えているようです。太りやすさや肌質の分析結果などをもとに、ダイエット関連商品や化粧品などを勧められるケースや中国など海外から遺伝子検査キットが無断で郵送されてくる、といった苦情もあり注意が必要です。

遺伝子検査サービスのメリットとデメリット

専門家は、遺伝子検査はあくまで簡易的な検査なので、血液を採取する精密な検査は医療機関で受けた方がいいと指摘しています。遺伝子検査サービスで分かることは、あくまで遺伝的傾向による体質を知ることです。ここでデメリットを確認しておきましょう。

・ 潜在的に潜んでいる病気が分かるわけではない
・ 検査会社によって検査方法が違っていたり、内容が異なったりするので利用する際に迷う
・ 同じ検査方法でも、分析結果が異なる場合がある

基本として大事なのは、定期的に健康診断で健康状態をチェックすることです。解析結果が出た後も、丁寧な説明やアフターフォローが求められ、総合的なサービスを判断した上で受けることをお勧めします。

とくに生活習慣病の場合、遺伝によって引き継ぐのは病気のなりやすさであって、病気そのものではないことに注意しましょう。その意味では、日頃から良い生活習慣を身につけ、遺伝子検査はあくまで病気にかかる可能性を引き下げるための一つの「目安」と見ていいかもしれません。(提供: ヘルスグリッドオンライン

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