悪循環を断ち切る 3つのポイント
では、脱長時間労働を達成するために何をしたらいいのだろうか。筆者が使っている簡単な小技集をご紹介しよう。
(1)タスクリストを作成して上司に報告する
仕事というのはいくらでも降ってくる。そのため、やらない仕事を決めることは労働時間を削減する上で非常に重要だ。個人的に効果的だったのは、タスクリストを作成して上司に自分の業務状況を報告し、仕事に優先順位をつけることだった。上司に自分の状況を認識させることで、上から降ってくる仕事量をある程度コントロールできるうえに、優先順位の低い仕事は後回しにしてもいいという免罪符にもなる。
ポイントは、詳細なタスクリストを作ることだ。「A業務をする」で終わるのではなく、「A業務を完了するために、BとCをする」というように、ステップまで明確にすることで、より正確に上司に自分の現状を伝えることができる。これを始めてから上司も筆者の業務量に配慮してくれるようになったため業務量が削減されただけでなく、上司と業務の優先順位を共有することでよりスムーズに仕事が進むようになった。
(2)時間を決めて仕事をする
生産性をあげるために非常に効果が高い方法が時間を決めて仕事をすることだ。たとえば、今から1時間でここまでやると決めて仕事に取り掛かれば、驚くほどの集中力で仕事がどんどん進んでいく。明確な終了時間を設定しているため集中力が持続しやすいうえに、時間が決められているというプレッシャーがあるため生産性が飛躍的に向上する。これは特に雑務処理において威力を発揮する。たとえば、筆者の場合は朝の20分でメール処理をすると決めている。今までダラダラと文章を考えていたのが驚くほど簡潔に文章がまとまるようになった。
(3)仕事が回らない場合は人に相談する
筆者の社会人としての大きな失敗の1つが、業務量が完全に自分のキャパシティーを超えているにも関わらず一人で抱え込んでしまい、結果としてプロジェクトチーム全体に迷惑をかけてしまったことだ。
人間一人でできる仕事量には限界がある。自分一人で抱え込んでしまうのではなく、必要なら上司や同僚に相談し、業務を分担してもらおう。筆者も最初の失敗に懲りて、現在は事前にキャパシティーを超えそうだと思ったら上司に相談するようにしているため、一人で深夜遅くまで働くという生活を何日も続けるということがなくなった。
現在は上記を行うことで、労働時間が短くなり、プライベートの時間も確保できるようになった。するとみるみるうちに自分の生活が変わった。積極的に自己投資して学習するようになり、部屋もきれいになった。毎日も楽しくなり、人生の幸福度も上がったと感じている。このような個人的な経験からも、脱長時間労働を強くおすすめしたい。(アナリスト 樟葉 空)