夏の仕事終わり、冷たいビールを一杯。喉を潤す一杯は、ついつい飲み過ぎてしまいそうだが、「飲み過ぎは体に良くない」と、家庭や職場などで言われることも多いだろう。

「健康診断の数値やお腹の出っ張りが気になる」。そんなビジネスマンも少なくない。お酒を控えようと思っている人、実際、断っている人もいるだろうが、その酒断ち、ちょっと待ってほしい。実は「ちょい飲み」なら、健康効果が期待できるお酒もある。

健康成分を100%いただき?ワインのメリット

洗練された大人の嗜みとして、愛飲者の多い「ワイン」。原料であるブドウは、ミネラルやビタミン、ポリフェノールなど、健康成分豊富だ。特に熟成した高級ワインであるヴィンテージワインには、通常のワインより多くの健康成分が、含まれていることがわかっている。ワインを長期貯蔵することにより、ポリフェノールの効果が倍加されるのだという。

ポリフェノールは酸化しやすく、体内に入ると活性酸素と素早く結合する。そして、動脈硬化やガンの原因とされる、「悪玉活性酸素」を消滅させてしまうのだ。 ほかにも、マグネシウムやカリウムといったミネラル類は、アルツハイマーの予防や高血圧予防などにも役立つそうだ。

通常、食品からだと30〜40%ほどしか吸収されない健康成分だが、ワインだとほぼ100%吸収されると言われている。グラス一杯でも効果があるので、それほどたくさん飲む必要はない。飲み過ぎには注意しよう。

現代病を予防する、ビールのちょい飲み

ビールに対する世の中の印象と言えば、ほとんどが「メタボの原因」「痛風になる恐れがある」というものだろう。ただそれは、「過剰摂取」が原因の場合がほとんどである。

ビールには、葉酸や鉄分・カルシウム、さらにさまざまなビタミン類が含まれている。ビールを飲むことで、健康成分が体の中の循環器系統を保護してくれるのだ。このほかにも、糖尿病や胆石、尿路結石、骨粗しょう症、ガンやアルツハイマーなど6つの病気を予防する効果を確認した研究も報告されている。

加えて、意外とカロリーや糖質量が多くないビールは、お米やパンなど炭水化物をたくさん食べてしまうよりは、メタボ対策やダイエット効果に期待が持てるのではないだろうか。もちろん、適量飲酒が前提である。

また、ビールと結びつけて紹介されるプリン体は痛風の原因にもなる要注意の物質だ。だが、レバーやエビなどに比べれば、その含有量は少なく、数十分の一しかないという。また痛風の発症にはほとんど影響しないという。

加えて、適量の飲酒は死亡率を引き下げる効果もあるとされる。それを端的に示すのが英国のマーモット博士が提唱した「飲酒と死亡率のJカーブ効果」で、アルコールを一定の適量飲酒する人は、全く飲まない人やあまり飲まない人に比べ、心筋梗塞などの冠動脈疾患が原因の死亡率が低い傾向にあるそうだ。もちろん、大量飲酒する人は、「J」の文字のごとく、死亡率は高い。