太陽の光とともにすっきり目覚めるーーというのは、体のリズムを整えるうえで理想だが、実際は難しい。「部屋が北向き」、「朝のジョギングなんて苦手」、「ギリギリまで寝ていたい」などが、正直なところだろう。しっかり目を覚まして、仕事に備えたいが、朝が苦手。そんな人にオススメの、脳がさっと活性化する目覚め術を紹介する。
目覚めにもダイエットにも イチロー選手も実践「朝カレー」
朝の目覚めに即効性を求める人には、「朝カレー」だ。日米通算3000本安打を達成した、大リーガー・イチロー選手が毎朝、カレーを食べていたことは一時、大きな話題になった。カレーはダイエットの効果もあり、脳を活性化することにもつながるとして、見直されることになったのだ。
朝カレーが注目されたのは、1番に新陳代謝UP効果だ。カレーに含まれるスパイスが刺激となって、代謝と体温を上げるので、体は活動モードになり、眠気をシャットアウトできる。カロリーも消費され、ダイエットにも効くというわけだ。
脳活性化にも効果あり、と言われるようになったのは、カレー好きのインドで、アルツハイマー病の発生率がアメリカの25%しかないと、2000年に発表された研究結果からだ。米ピッツバーグ大学の研究チームがインドと米ペンシルベニア州に住む高齢者(70~79歳)のアルツハイマー病の有病率を調べた結果分かったもので、その後、金沢大学の山田正仁享受らの研究で、スパイスの中でもターメリック、つまり「ウコン」に含まれるクルクミンに、アルツハイマーの予防効果があることが発表された。またクルクミンは肝機能を向上させるほか、コレステロール値の低下も期待できるという。
カレー食のコツは、脂肪分や塩分の多い市販のカレールウより、複数のスパイスがミックスされた「カレー粉」を使うことである。ココナッツミルクを使ったグリーンカレーや、大豆カレーなどを自炊すると、よりヘルシーで効果的だ。
起きがけ一杯の水で、活動モードへ切り替える
毎朝の習慣としたいのは、朝寝起きの一杯の「水」である。出来れば、体を冷やさないために常温か白湯がいい。
人間は一晩で、200~300ミリリットルの汗をかくと言われており、その水分補給の意味がある。朝起きると、活動時などに活発になる交換神経が働き始める。一方で、睡眠時などは、体のメンテナンスをする、副交感神経が働いている。一杯の水を飲むことで、胃腸が刺激され、休息モードの副交感神経から活動モードの交感神経へスイッチが切り替わるわけだ。
また、寝ている間に水分が失われることで、血液の循環状態が悪くなりがちだ。起きがけに水分を補給すると血流を正常にすることができ、血行不良によるむくみや肩こりの予防などにもつながる。