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(写真=PIXTA)

最近、よく耳にする「IoT」。これは「Internet of things(モノのインターネット)」、すなわちパソコンやスマホだけでなく、あらゆるものがインターネットにつながっていることを指します。

今、その波は不動産業界にも押し寄せており、さまざまなモノがインターネットとつながっています。例えば家の鍵であったり、防犯カメラであったり、私たちの日常に近い部分で不動産のIoTは進んでいるのです。

今回は、IoTと賃貸不動産をテーマに、そして「鍵」の管理で活用されるIoTを中心に、その実例をご紹介します。

1. スマートロック

まずは、不動産におけるIoTの代表的事例である「スマートロック」についてです。

スマートロックとは、実物の鍵を使わず、スマートフォンを利用してロックの開閉を行う仕組みのことです。取り付けは専用のキットをドアの内側に両面テープで取り付けるだけの簡単さで、工具のような物は必要ありません。容易には取り外せない強固なものですが、跡が付きにくい素材を使っているため、賃貸マンションへの導入もハードルは低いです。

スマートロックのメリット

・ 鍵の開け閉めが楽
ドアに近付くだけで開錠ができるタイプもあり、その場合はわざわざバッグから鍵を取り出す必要がありません。お子様を抱っこしている時や大きな荷物を持っている時など、非常に便利です。

・ 鍵の受け渡しが不要
実物の鍵だと、わざわざセキュリティ付のキーボックスを利用したり、当事者が直接受け渡しをしたりする必要がありました。しかし、スマートロックであればURLをメールやLINE、SNS上で交換すれば事が足りてしまうのです。URLからサイトにログインし、携帯電話の番号を入力したり、パスワードを入力したりすれば、そのスマホが鍵代わりになります。鍵の紛失や、受け渡し場所の特定ができないなどのトラブルも、スマートロックなら未然に回避できます。

・ 安全性が高い
スマートロックの開閉には、基本的には「Bluetooth」という無線通信技術が使われます。Bluetoothの電波は周囲からの干渉を非常に起こしにくいため、ハッキングがしにくく、データを取られてスマートロックが解除されるという危険性が極めて低いものです。また、製品にもよりますが、一定時間が経過すると自動でロックされる仕組みになっています。そのため、鍵を締め忘れた時や、お子様だけで家に滞在している時なども安全です。

・ 紛失時も安心
万が一スマホを紛失してしまっても、家族など同じ鍵を持っている人から新しいスマホにURLを送ってもらい、ID、パスワードなどを入力すればすぐに鍵になります。

近年一般的なディンプルキーは、鍵の複製やピッキングによる開錠が困難なため、鍵をなくしてしまうと最悪ドアごと取り外すという大掛かりな作業になってしまう可能性もあります。