不動産投資においてオーナーが直面する問題に、「空室」と「賃料滞納」という2つがあります。
不動産投資の主な収益は家賃です。もし空室や賃料滞納によって家賃が入ってこなければ、当然、収益はありません。そのような状態が継続すれば、将来的に賃貸経営は破綻することになります。そうならないためにも、改めて空室と賃料滞納への対策を確認しておきたいと思います。
空室になりにくい物件を手に入れることが大前提
空室への対策として最も重要なのは、当たり前ですが「空室になりにくい物件を手に入れる」ということです。
しかし、特に不動産投資をこれから始める方に多いのが、空室になりにくい物件ではなく「自分好み」の物件を手に入れるパターンです。
例えば、
・ 自分の好きなエリア
・ 自分の好きな外観の建物
・ 自分の好きな間取り
・ 利回りばかりを追求した高利回りの築古物件
・ 築浅物件であることを最優先にした低利回りの物件
など、自分の思い入ればかりで物件を手に入れるケースです。空室問題をまったく考慮せず、このような視点で物件選びをしてしまうと、いざ空室率が高くなった時に対策の施しようがなく、ひどい場合は購入後2、3年程度で物件を手放すこともあります。
「自分好み」の物件選びを否定する訳ではありません。しかし、まずは空室になりにくい物件に投資対象を絞り、その中から好みを選んで投資するべきです。中古物件であれば、最低でも過去2年間の空室率が10%以下など、空室率について見落とさず、難しそうな物件には投資をしないように注意してください。
空室を減らす即効性のある2つの対策とは?
空室を減らすための対策には、「入居者がいる間に募集」と「フリーレント」の2つをお勧めします。
入居者の退去がわかった時、その入居者が退去した後に、新しい入居者を募集するケースが意外と多いのです。管理会社も、入居者がいる間の物件仲介は、部屋の確認や内覧も難しいため、対応に困るところがあります。ですが、このような先延ばし対応が、結果として空室期間を増やす事態を招くのです。
退去が決まった時点でオーナーと管理会社が急いで対応すれば、実際に退去するまでの1~2ヵ月で新しい入居者が決まることも十分あります。反対に、入居者探しにグズグズしていて、例えば入居者が決まるのに退去後3ヵ月もかかるようでは、3ヵ月分の空室発生となり収益率が大きく下がります。退去が決まれば、即入居者の募集に動くようにしてください。
フリーレントとは、家賃を一定期間(1ヵ月など)無料にするサービスです。
オーナーからすると損した気持ちになるかもしれませんが、入居者が付きにくい古い物件などでは有効です。古い物件では、仲介会社も積極的に案内しない傾向が強く、空室が半年以上にもなることもあります。しかし、1ヵ月分だったとしても、入居者にしてみれば家賃がいらないというのは魅力的で、入居希望者は増えます。数ヵ月も収益ゼロの空室状態にするぐらいなら、1ヵ月分の収益を我慢して翌月以降の収益を手に入れる方が合理的でしょう。