ポテトチップス,カルビー,株式投資
(写真=Thinkstock/Getty Images)

自宅で海外ドラマや映画を観ながら「ポテトチップス」を食べる。筆者に限らず、そんなひと時を愛する人は少なくないことだろう。

そのポテトチップスに異変が起きている。

9月5日、カルビー <2229> は今月予定していたポテトチップスの新商品4種の発売を10月に延期することを決めた。北海道に相次ぎ上陸した台風の影響で、原料のジャガイモの収穫が遅れ、十分な量を確保できないためだ。

その後、カルビーの株価は年初来の安値圏で取引されている。フルーツグラノーラで「わが世の春」を謳歌していたカルビーはこの苦境を乗り越えられるのだろうか?

原料の約7割を北海道から調達

カルビーが新商品の発売を延期したのは、コンビニ限定のポテトチップス2種に加え、「ア・ラ・ポテト」のうすしお味とじゃがバター味である。ア・ラ・ポテトは10月3日に、コンビニ限定チップスも1カ月程度先延ばしする。

先に述べた通り、北海道で相次いだ台風の被害により、ジャガイモやタマネギの流通に影響が出始めたことが原因だ。

ジャガイモは、主産地の十勝などの畑が水没し、例年なら最盛期にあたる収穫が遅れている。ちなみに、北海道のジャガイモ生産量は全国の8割を占める。そのうち約3分の1が十勝産だ。現状は雨による変色などの被害も発生しており生産量は2割から3割減少する可能性も指摘されている。

カルビーは原料の約7割を北海道から調達している。
同社は新商品延期と原料調達難、原料値上がりの影響を発表していないが、ポテト系スナックの売り上げは前期で52%に達しており、収益への影響が懸念されるところだ。現状では供給の見通しが立たないため、2017年2月以降は米国からの輸入拡大を検討する予定である。

ポテトチップス業界2位の湖池屋も出荷量の少ない商品を減産するほか、業界3位の「わさビーフ」の山芳製菓も3割減産することを決めている。

カルビーの株価は台風とともに年初来安値

カルビーは、 8月3日に2017年3月期の第一四半期(4〜6月)決算を発表した。売上は617.5億円(3.2%増)、本業の利益を示す営業利益は71.3億円(16.9%増)と見た目は悪い決算ではなかった。

証券市場ザラ場中の14時発表だったため、株価は一時前日比505円高の4720円、12.0%高まで買われたが、引け値は4565円の前日比10円安とマイナスとなった。見た目の数字で買われたものの、通期営業利益は310億円据え置き、進捗率は23%とサプライズのない決算だったからだろう。

その直近高値4720円を境にカルビー株は下落トレンドに入る。超大型台風10号が北海道を直撃し始めたのは8月29日から30日。株式市場は、北海道の被害がカルビーの収益を直撃する可能性があることをよく知っているようで、年初来安値を更新したのがちょうど8月30日だった。

8月30日には、UBS証券が投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価も5000円から4000円に引き下げた。これも年初来安値をつけるきっかけとなったようだ。

カルビー株は、9月5日の安値3610円まで下げ続けた。9月5日といえば、カルビーが台風で4製品の発売延期を発表した日である。その後も安値圏で推移しており、市場は見事にニュースフローを反映した動きとなっている。