改修費の補助や奨励金で活用促す

全国の自治体で行われている空き家対策の取り組みの中から、特徴的な事例をいくつか紹介します。

福岡県みやこ町では、空き家の所有者側の関心を高めようと、空き家バンクにより契約が成立した場合、所有者に5万円の奨励金を出しています。また山口県萩市では、空き家バンクに登録している空き家所有者が、家財道具などを処分する際の費用を、対象経費の2分の1以内(上限額10万円)で補助しています。

また、空き家バンクの利用者側に補助金制度を設ける自治体も目立ちます。

例えば秋田県秋田市では、空き家が購入された場合は、改修費の2分の1(上限100万円)、賃貸借の場合は、改修費の2分の1(上限30万円)の補助金を設けています。

また、三重県四日市市では、18歳未満の子どもがいる世帯などの条件が付きますが、利用者の家賃を最大で月3万円補助しています。他の自治体でも、「子育て世帯限定」などの優先情報は多く、自治体として、地域活性化、定住化が緊急の課題ということがうかがえます。

高知県四万十町では、空き家に生活家電などを揃え、月額1万円で「お試し居住体験」を提供しています。実際に暮らしを体験することで、「空き家に関心はあるけれど、いきなりの移住は難しい」「移住しても、実際の生活環境がどうなのか」「医療・福祉環境などはある程度整っているのか」など、利用者側にとって気になる点を確認できるようにしています。こうした積極的なサービスを提供する自治体では、空き家バンクの成約事例が多いようです。

今回は空き家バンクの取り組みについて、具体的にみてきました。

空き家の所有者と、それを地域活性化のために有効活用したい自治体、そして田舎暮らしにあこがれつつも、見知らぬ土地の環境などへの不安が高く、情報を求めている利用希望者。これら三者のマッチングを図ることが、空き家バンクの最大の狙いです。利用者として、また、所有者として、空き家バンクの取り組みに関心のある方は、一度サイトなどから情報収集してみてはどうでしょうか。(提供: 不動産投資ジャーナル

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