なぜハロウィン効果が出るのだろうか?
アノマリーであるため、ハロウィン効果を説明する明確な答えはない。だが、同データによると、過去20年(1994年4月から2014年3月まで)の月間平均騰落率では、一番下げる月が10月で平均▲2%程度のマイナス、一番上げる月が11月で+2%程度のプラスとなっている。
その次にリターンの高い月が12月、3月、4月だ。株式相場のリズムとして、10月に下げた後、11月から年末にかけて上げ、翌年の3月から4月にもう一段高となるのが季節的なパターンなのだ。
確かに、過去を振り返ると、9月から10月に起きた暴落は多い。代表的なものでは、1929年の世界大恐慌時の、暗黒の木曜日が10月24日だった。1987年のブラックマンデーが10月19日、1992年にソロスに英国が負けた通貨危機は9月、1998年に世界最大のヘッジファンドLTCMがロシア危機・アジア通貨危機で破綻したのは10月だ。2001年9月11日は米同時多発テロ、2008年のリーマンショックは9月15日だ。このようなテールリスクで大きく売られた後に市場が回復して年末高、翌春高になるのだろう。
9月から10月に暴落が起きやすいのは、ヘッジファンドの決算に関連していると言われる。欧米のヘッジファンドは11月決算が多い。決算前にパフォーマンスをよくするためにポジションを無理矢理動かすことがよくあるという。
また、決算期にパフォーマンスの悪いファンドは解約されることが多い。その場合、投資家は通常45日前にファンドに解約を告知する。その期限が9月中旬だ。解約告知されたファンドはポジションを決済してキャッシュにする必要がある。中には流動性の低いデリバティブを多く入れたファンドも多い。そのポジションを無理矢理解消するため金融市場の価格変動率(ボラティリティ)が上がると指摘する人が多い。
ヘッジファンドだけでなく投資信託も10月は解約売りが出やすい。その年のキャピタルゲイン課税を節税するために、評価損を抱えた投信に損出しの解約売りを出し、損益合算するといった投資家の行動が集中するようだ。
「株は5月に売れ」「年末高」も実は同じようなアノマリー
「株は5月に売れ(Sell in May)」というのは米国で代表的なアノマリーだ。実はその続きがある。「Sell in May and Go Away. But Remember to Come Back in September」。「株は5月に売って、夏はポジションなしで遊びなさい、でも9月に市場に帰ってくるのを忘れないで」と言う格言なのだ。
日本の株式格言でも、「年末高」「掉尾の一振」という年末高について格言がある。いずれのアノマリーも9月から10月の秋に株が下げた時に買えば、株価があがると言うもので本質は一緒なのだろう。
これから株式市場に影響を与えそうなイベント
9?10月の相場下落時に株を買えば値上がりする可能性が高いことは判ったが、アノマリーだけで株を買うのには躊躇してしまう投資家の方も多いだろう。これから来年春までに起こる株価に大きな影響を与えそうなイベントを紹介しておこう。
市場の今の話題の中心は米国が利上げするか、日欧が追加利下げに踏み切るかといったところだ。金融ポリシーを決定する会合はすべて重要となる。米国の大統領は11月には決まる。また来年は春にオランダ総選挙、フランス大統領選があり、8月から10月にはドイツの総選挙も控えている。英国はEUからの離脱(BREXIT)が決まった。他のEU主要国の国民がどういった選択肢を選ぶかも注目される。(ZUU online 編集部)