株式投資の世界には、「10月末のハロウィン期間に株式を購入し、翌年の春まで保有して売却すれば効果的に収益を上げることができる」、そんな経験則が存在する。
理論的な根拠はないものの、よく当たる経験則のことを「アノマリー」と呼ぶ。この傾向は世界の多くの株式市場で見られると言う。「ハロウィン効果」と呼ばれるこのアノマリーについてみていこう。
過去20年のデータではハロウィン効果は有効
日経平均を月末に買い、半年後の月末に売った場合の購入月毎の過去20年間(1994年4月から2014年3月まで)のパフォーマンスデータを日興アセットマネジメントが2014年に発表している。
1番良いパフォーマンスは、10月末に買って4月末に売った場合で、平均リターンは6%を超えている。2番目が9月末に購入して3月末に売った場合だが、リターンは3%台なので10月購入のパフォーマンスはブッチぎりだ。
このデータは2014年3月までなので、直近2年の場合も調べてみた。14年10月の場合は半年後で18.9%のリターン。2015年10月の場合は▲12.7%とマイナスだった。
15年は例外的に大きく下げているが、20年にわたる検証ではハロウィン効果は十分に証明されている。日本市場の1989年のバブル崩壊後は「失われた20年」という下げ相場からボックス圏が中心だった。このパフォーマンスは失われた20年を含む期間のアノマリーとしては十分なリターンだ。
参考までに、一番パフォーマンスが悪いのは4月末に購入し10月末に売った場合。つまり、ハロウィン効果を完全に逆にやった場合で、▲5%程度のマイナスリターンになっている。